政治・経済

 2014年は退屈な年となるだろう。前回、株価は総楽観論、こういう時がむしろ危ない、と書いた。もうひとつのリスク要因は、壮大なる退屈だ。

 14年は、本質的には何も起きない。アベノミクスは、昨年良くなりすぎたから、これ以上良くなるのは難しいだろう。しかし、消費税引き上げの影響も限定的だろう。なぜなら、低所得者、中小企業は負担のしわ寄せが円安とともにやってくるが、輸出大企業、高所得者、資産保有者の勢いは残っており、経済全体で見れば大崩はしない。

 国内政治は、国政選挙もなく、有権者は久しぶりの平穏で安心できる政権に満足するだろう。TPPも米国は農業よりも保険に関心があるから、結局まとまるだろう。だから経済政策においてもイシューはない。

 金融市場も本来は波乱要因はない。米国金利上昇、日米の金利格差拡大、日本の経常収支大幅悪化継続だから、円安は動かず、しかしこれは織り込み済みだから、実体経済にサプライズはなく、ファンダメンタルズは不変だ。

 政治、実体経済、金融市場と、何も起きず、14年は退屈な年となるだろう。しかし、危険なのは投資家とメディアだ。彼らは、退屈を最も嫌う。だから、彼らにとっては、「退屈への叛乱」の年となるだろう。そして、個人投資家や世間のムードがこれに流されてしまうと、叛乱が本当の波乱となってしまう可能性がある。これが今年の最大のリスクだ。

 投資家というよりトレーダーたちは、どうやってリターンを出すかがすべてで、安定は困る。変動を利用して儲けるのが仕事だ。実際、株式市場の13年の5月から6月の乱高下も、14年1月初頭の波乱も、どちらも一気に上がりすぎたこと、そこで投資家が楽観的になりすぎて一気に買いすぎたことへの反動であるが、それを狙ったトレーダーの仕掛けであり、安定への叛乱といえる。

 13年末、安倍政権批判のネタがなさ過ぎて困ったメディアが、特定秘密保護法を必要以上にネタにしたのも同じだ。靖国もメディアは盛り上がったが、世論調査の動きでは、有権者は関心がないようだ。都知事選も、ある種、退屈への叛乱、メディアはこれを大歓迎ということだったのだろう。

 この動きに、個人投資家や有権者がどこまで動かされるか。私は、彼らは現在の平和、平凡に満足しており、叛乱に追随しないと予想するが、実際はどのようなるか。そこが14年が退屈な平和で終わるか、そうならないかの分かれ目だ。

 

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