政治・経済

大阪の観光シンボル 大阪城

大阪の観光シンボル 大阪城

 アベノミクスによる円高是正と株価持ち直しが進んだことで、凍りついていたわが国経済の基礎体温が大幅に上昇いたしました。大阪商工会議所が実施する企業マインド調査におきましても、足元の景況感は、2001年の調査開始以来最高の水準となりました。また、中小企業の資金需要においても、設備投資意欲が高まり、リスクを取って拡大を目指す攻めのマインドが鮮明になっております。こうした中、百貨店・専門店の初売り、ホテル・旅行・外食などの年始の動向、大阪城やユニバーサル・スタジオ・ジャパンといった観光集客施設の大規模イベントも概ね堅調となりました。

 今後は、経済政策を通じた景気押し上げ効果に加え、企業投資や個人消費・インバウンドといった民需を喚起する成長戦略が本格稼働することで、より足腰のしっかりした「全員参加型」の景気拡大が実現することを願っています。

 

西日本経済圏の中心・大阪の役割高まる

大阪駅周辺に立ち並ぶ百貨店

大阪駅周辺に立ち並ぶ百貨店

 幸い、大阪においては、都市魅力創造やイノベーション創出の基礎固めが進みつつあります。官民が一体となって観光振興を推進する大阪観光局や水都大阪パートナーズが発足したことに加え、LCCが好調な関西国際空港やうめきたの「グランフロント大阪」が話題を集めたほか、「あべのハルカス」や映画「ハリーポッター」をテーマにしたユニバーサル・スタジオ・ジャパンの新エリアも開設するなど、ソフト・ハードの両面から新たな都市魅力の発信が期待されます。また、強みを有するライフサイエンス分野においては、医薬品や医療機器の承認審査等を行うPMDA(医薬品医療機器総合機構)の西日本拠点が開設されたほか、国際戦略総合特区制度を活用した研究開発案件の事業化支援も進展し、アベノミクスで新設された国家戦略特区にも対応中であります。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

 今後、五輪開催に向けて、東京への一極集中の加速が懸念されていますが、東日本大震災の教訓も踏まえれば、国土の双眼構造の構築が不可欠であり、西日本経済圏の中心を担う大阪の役割は高まってくるものと存じます。

 

千客万来都市へ戦略プロジェクトを推進

 こうした問題意識の下、このほど大阪商工会議所は、2011年度から取り組んできた「千客万来都市OSAKAプラン〜全員参加で『大大阪』『大関西』をつくろう」の第2期3カ年計画を策定いたしました。「千客万来都市」を実現するための先導的・先進的な官民での取り組みを「戦略プロジェクト」、これらを支える環境整備事業を「基盤強化」と位置付ける枠組みは、これまでと変わりませんが、第1期の成果や課題、環境変化を踏まえ、会員の皆様の一層の経営力強化に役立つよう、ラインナップを見直しました。

 戦略プロジェクトについては、第1期から継続・発展させる「メディカル・ポリス形成」「観光インバウンド促進」に加え、水ビジネスを含む環境や新エネルギー、モノづくり分野の取り組みを統合・再編した「環境・新エネルギー産業振興」「次世代モノづくり産業振興」を設定したほか、衣食住関連産業の成長を支援する「暮らし産業振興」を新たに追加いたしました。

 さらに、これまで基盤強化として展開してきた事業を発展・強化した「販路創造都市・大阪」形成、海外ビジネスの展開にターゲットを絞った「海外市場アクセス」支援、女性や留学生等を対象にした「新戦力人材発掘支援」といった戦略プロジェクトも新たに設け、業種横断的に取り組んでまいります。

大阪商工会議所

大阪商工会議所

「千客万来都市OSAKAプラン」第2期では、こうした8つの戦略プロジェクトと、継続して取り組む4つの基盤強化を通じて、(1)国内外を舞台にした事業展開により大阪・関西の発展ひいては日本経済の再生(2)会員企業の活力増進に貢献し、「ビジネス情報が集まり、ビジネスチャンスを創出する大阪商工会議所」の実現を目指します。

 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ
一般社団法人かぎろい出版マーケティング代表 西浦孝次氏

[連載] 深読み経済ニュース解説

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

水辺に都市が栄える理由と開発の事例を探る

[特集 新しい街は懐かしい]

水辺に都市が栄える理由と開発の事例を探る

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫とは

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

三和銀行の法皇・渡辺忠雄の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第14回)

住友の天皇・堀田庄三の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第11回)

商売の神様2人の友情 江崎利一と松下幸之助

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

総合事業プロデューサーとして顧客と共に成長する―中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

広告やマーケティング、ブランディングを事業プロデュースという大きな枠で捉え、事業が成功するまで顧客と並走する姿勢が支持されているグランドビジョン。経営者の思いを形にしていく力で、単なる広告代理店とは一線を画している。 中尾賢一郎・グランドビジョン社長プロフィール &nb…

中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

人材戦略を経営の核に成長する駐車場ビジネスのプロ集団―清家政彦(セイワパーク社長)

「PCのかかりつけ医」として100年企業への基盤構築を進める―黒木英隆(メディエイター社長)

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

森島寛晃・セレッソ大阪社長

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

20歳で探検家グランドスラム達成した南谷真鈴さんの素顔

自らの手で未来をつかみ取る革新者たちは、自分の可能性をどう開花させてきたのか。今回インタビューしたのは、学生でありながら自力で資金を集め、世界最年少で探検家グランドスラムを制した南谷真鈴さんだ。文=唐島明子 Photo=山田朋和(『経済界』2020年1月号より転載)南谷真鈴さんプロフィール&nbs…

南谷真鈴

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年1月号
[特集] 新しい街は懐かしい
  • ・「街の記憶」で未来をリノベーション
  • ・日本橋が「空を取り戻す」水辺と路地がつながる街へ
  • ・水辺はエンタメの宝庫だ 大阪が目指す観光客1300万人
  • ・街の誇りを取り戻せ 名古屋・堀川復活プロジェクト
  • ・なぜ水辺に都市が栄えるのか
  • ・2020以降は海と川がさらに面白くなる
  • ・「住む」と「働く」両方できるが求められている(たまプラーザ)
  • ・「土徳」が育む一流の田舎(南砺市)
  • ・音楽ファンが集う街づくり
[Special Interview]

 辻 慎吾(森ビル社長)

 東京が世界で勝ち抜くために必要なこと

[NEWS REPORT]

◆飛びたくても飛べないスペースジェットの未来

◆エンタメが街を彩る 地方創生に挑むポニーキャニオン

◆問題噴出のコンビニをドラッグストアが抜き去る日

◆始まった自動車世界再編 日本メーカーはどう動く?

[特集2]

 経済界福岡支局開設35周年記念企画

 拓く!九州 財界トップが語る2030年のかたち

ページ上部へ戻る