政治・経済

フェスティバルホールを擁する中之島フェスティバルタワー

フェスティバルホールを擁する中之島フェスティバルタワー

グランフロント大阪 ナレッジキャピタル部分

グランフロント大阪 ナレッジキャピタル部分

 アベノミクス効果で成長の兆しが見えつつある日本と関西経済が、今後、成長軌道に乗れるかどうかは、独創的、創造的な製品・サービスをいかに生み出せるかにかかっている。また、他国と違う独自性のある歴史・文化に根ざした街づくりを通じて、ヒト・モノ・カネを日本の各地に呼び込めるかにかかっている。そのためには、東京一極集中が進む中、関西・大阪は、若者・女性が活躍できる風土づくり、そして魅力ある街、若者が集う街になることが不可欠である。

 

新しいイノベーションを関西から

近大マグロの店「近畿大学水産研究所」

近大マグロの店「近畿大学水産研究所」

最先端技術が集まるThe lab.

最先端技術が集まるThe lab.

 大阪・関西においては、昨年、多くの新しい芽が出てきた。「グランフロント大阪」「あべのハルカス」、「フェスティバルホール」等の大型施設が次々とオープン、関西国際空港のLCCも話題となった。どれもアベノミクス以前に計画されたもので、それが今、花開いている。大阪・関西には底力が強くある。

 関西で最後の一等地と言われる大阪駅前の「うめきた」に、「グランフロント大阪」がオープンしたのは昨年4月。その中核施設「ナレッジキャピタル」では、オープン以降、企業や大学、研究機関の交流が盛んに行われている。世界初の完全養殖クロマグロである近大マグロの店は連日予約が殺到し、ロボットや次世代美術鑑賞といった最新技術が展示されているラボでは、一般の生活者の声を技術開発に反映させる場としての活用が進んでいる。さらに、会員制の「ナレッジサロン」では、経営者や研究者、芸術家等、当初の予定を大きく上回る1500名以上の会員が登録、会員同士の交流で新しい商品が生み出されるなど、目に見えた成果が出てきている。大阪・関西には昔から「義理・人情」、「他人のことを放っておけない」「おもてなしの心」「本音で話す」といった独特な気質、精神文化がある。ナレッジキャピタルは、まさにこの関西・大阪人の気質をうまく引き出す最新鋭の施設であり、企業や組織の枠を超えて、人と人、アイデアとアイデアをつなぐ場といえる。

 今年も、「あべのハルカス」の全面開業やUSJの新アトラクション「ハリーポッター」オープンと、集客が期待される話題が目白押しである。「和食」の世界無形文化遺産登録も、懐石料理発祥の地、関西には追い風となる。これらを単独のものとして終わらせるのでなく、産官学、文化が連携し、さらには農業・漁業等ともうまくコラボレーションし、大きなうねりにしていくことが重要である。

 

「みどり」「ワールドマスターズゲームズ」で大阪・関西を国際都市に

「うめきた」2期区域

「うめきた」2期区域

「うめきた」2期区域は、関西経済同友会が12年来主張してきた「みどりのオープンスペース」の方向で、昨年、民間提案募集の1次公募が始まった。国内外の40事業者から応募があり、うめきた2期への期待の高さがうかがえる。ニューヨークにセントラルパークがあるように、国際的に発展する都市に「みどり」は欠かせない。21世紀の都市のキーワードは自然と共生する「質の高い生活」であり、100年の大計に立ち、大阪の玄関口にこそ大規模な「みどり」を展開し、自然や季節を感じられる心地よい都市空間となるよう、今後も働きかけていきたい。

 また、2021年の「ワールドマスターズゲームズ」開催に向けた取り組みも、オール関西でスタートさせねばならない。これは、国際オリンピック委員会認定機関が主催する世界的な生涯スポーツの国際競技大会である。ツーリズムの側面が強く、観光資源や文化資源の豊富な日本・関西にとっては、その強みを活かし、アジア、世界へとアピールする最大のチャンスとなる。2019年ラグビーW杯、2020年東京オリンピック・パラリンピックに続き、2021年のワールドマスターズゲームズを日本・関西活性化の起爆剤とすべく、盛り上げていきたい。

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ

[連載] 深読み経済ニュース解説

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

ワンマンシリーズ(7)稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫〈1〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

実録! 関西の勇士たち

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第19回)

ワンマンシリーズ(6)三和の法皇・渡辺忠雄〈3〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第18回)

ワンマンシリーズ(5) 三和の法皇・渡辺忠雄〈2〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

ワンマンシリーズ(4) 三和銀行の法皇・渡辺忠雄〈1〉

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第16回)

ワンマンシリーズ(3)住友銀行に残る堀田の魂魄

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次世代の医療現場を支える病院経営の効率化を推進――保木潤一(ホギメディカル社長)

1964年にメッキンバッグを販売して以来、医療用不織布などの、医療現場の安全性を向上する製品の普及を担ってきた。国は医療費を抑える診断群分類別包括評価(DPC制度)の導入や、効率的な医療を行うため病院のさらなる機能分化を実施する方針を掲げており、病院経営も難しい時代に入っている。ホギメディカルは手術室の改善か…

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

フランスの大手高級酒グループ、レミー・コアントロー社の日本法人。18世紀から愛飲されてきた名門コニャックの「レミーマルタン」や世界有数のリキュール「コアントロー」をはじめ、スピリッツやウイスキーなど戦略的なラインアップを日本市場で展開している。同社の宮﨑俊治代表取締役に事業展開について聞いた。 &nbs…

リグナ社長 小澤良介 家具のEC販売から様々な展開へ

内装空間の総合プロデュースで想いをカタチに創り上げる――ユニオンテック社長 大川祐介

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年12月号
[特集]
平成 ランキングで振り返る“時代”の経営者

  • ・バブル破裂で顔ぶれ一新 平成人気経営者の系譜
  • ・次の時代を創るリーダーとは?

[Special Interview]

 榊原定征(2025日本万国博覧会誘致委員会会長)

 「誘致決定まで1カ月 大阪万博を日本経済の起爆剤に」

[NEWS REPORT]

◆コンビニ軽減税率適用で激化する「外食VS中食」の戦い

◆「液晶のシャープ」が有機ELスマホを発売 初の国産パネルで攻勢をかける

◆「世界一高い」と認定された日本の携帯料金のこれから

◆チャネル政策を見直すトヨタ自動車の危機感

[特集2]

 北海道・新時代の幕開け

ページ上部へ戻る