政治・経済

 財務省は10月30日に全国財務局長会議を開き、7~9月期の全国の景気判断を引き上げた。上方修正は3四半期連続で、「回復」の言葉を入れたのは2007年10~12月期以来、5年9カ月ぶりだ。アベノミクスによる景気の回復が地方にも波及している格好だが、来年4月の消費税増税による景気腰折れの懸念は、なお残る。
「緩やかに回復しつつある」

 財務局長会議に出席した古川禎久財務副大臣は、全国の景気判断をこう総括した。4~6月期は「緩やかに持ち直している」だった。3四半期連続の上方修正は、比較できる04年4~6月期以降、初めてとなる。

 回復の理由は、自動車の生産や、家電の販売に持ち直しがみえるためだ。景気判断を地域別にみると、関東、近畿など7地域で上方修正し、4地域が据え置きいた。

 今後について、回復の持続を期待する声は多いものの、先行きを心配する意見も。一番大きいのは、来年4月に税率が5%から8%に引き上げられる消費増税だ。

 足元では増税を見越し、デパートの高級家具などの売れ行きがいい。アパレル業界は、秋冬商戦で駆け込み需要を見越し、高級で値頃感のあるスーツを投入する。

 ただ、駆け込み需要が大きいほど心配されるのは、反動減だ。14年度の成長率は、1%以上落ち込むことを予想する声もある。

 安倍晋三政権は、増税の影響を抑えるため、5兆円規模の経済対策を打ち出した。安倍首相は10月21日の衆院予算委で、「反動減を緩和しながら、成長軌道に戻すような対策を打った」と強調している。

 小売業界などの関係者の脳裏をよぎるのは、1997年の消費増税後に日本が景気後退局面に入った悪夢。当時は、アジアの通貨危機や、日本の金融危機があいまったという特殊要因があり、今では、「金融システムが安定し、企業の財務体質は強化されている」(安倍首相)。

 しかし、せっかく緒に就いたデフレ脱却に水を差さないよう、政権は、万全の手立てを打つ必要がある。

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