政治・経済

拡大のカギは「体験」

観光名所となった東京スカイツリー

観光名所となった東京スカイツリー

 2013年度の訪日外国人観光客が初の1千万人を超えた日本。しかし最大の観光国であるフランスに比べると、まだ8分の1という数字である。見方を変えれば、まだまだ伸びる余地は大きい。

 世界経済フォーラムが発表した昨年の旅行・観光競争力ランキングを見ても日本は14位と前回11年の22位から順位を上げている。衛生状態やインフラの整備では高評価を得たものの、外国人観光客に対する言葉の問題などは、まだまだ改善しなければならないようだ。ちなみに、1位はスイスで、ドイツ、オーストリアなど欧州勢が続く。

 日本のインバウンドの躍進の背景を「12年に民主党政権下で実施されたビザの緩和などは戦略としても有効だった」(居林氏)とみる。今後、さらなるインバウンド増大のカギを居林氏に尋ねたところ、「かつての日本がそうであったように、アジア周辺国などで所得が上がるにつれ観光が普及し始める。海外での観光消費はモノではなく体験が主流。観光競争力1位のスイスの例を挙げると、資源のアルプスやその周辺等をうまく利用し、ガイドの育成やパラグライダーなどのアクティビティーに力を入れ、さまざまな体験を提供している。観光資源をいかに有効活用するかが重要」と見ている。そのためには観光資源を分散させるよりも「集中」することに注力すべきだ。

 多くの名所を巡ることを喜ぶ日本人の場合、あまり1カ所に集中していなくても文句はでないが、リゾート文化が発達している海外からの訪日客にとっては、1カ所で多くの体験を求める欲求も強い。

 このような海外旅行客の休暇スタイルに合わせたリゾートなどは需要の増大があると考えられる。

 カジノのイメージが先行するIR(Integrated Resort)についても、ラスベガスのようにエンターテインメントの部分を加え、クールジャパンや食文化など、日本の観光資源を集中させれば、投資の視点でも魅力的になるはずだ。

 今後、東京五輪やラグビーワールドカップなどのイベントも目白押しの日本。注目すべき業界としてホテルを挙げる。

「鉄道や航空などの交通機関は、内需が大きいため影響が見えにくい。影響が出やすいのはホテルで、リゾートも含めてリートなどが面白いのでは」(居林氏)

 今後の観光業界に注目だ。

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