政治・経済

 社会人にとって、従来〝酒の席〟は人間関係の潤滑油として機能してきたことは事実だ。しかし、近年、若者のライフスタイルの変化からか、アルコールを嗜まない層も増え、社内における〝酒の席〟も減少傾向にあると言わざるを得ない。そんな状況を本誌ではあえて憂慮し、サッポロホールディングスの上條努社長とビール党を自認するホリプロの堀義貴社長との対談を企画し、ビールへの熱い思いを語り合ってもらった。(司会=本誌・大和賢治 写真=西畑孝則)

 

ストレスの発散にもビールは有効

堀 義貴

堀 義貴
ほり・よしたか──1966年生まれ。89年成蹊大学法学部政治学科卒業後、ニッポン放送入社。編成部企画担当として数々のラジオドラマ・CM・イベントをプロデュース。93年株式会社ホリプロ入社。テレビ番組・映画・音楽の制作、宣伝、マネージメント等さまざまな部門を担当し、2002年代表取締役社長就任。13年より一般社団法人日本音楽事業者協会会長も務める。

上條 努

上條 努
かみじょう・つとむ──1954年生まれ。76年慶応義塾大学法学部卒業後、サッポロビール入社。96年サッポロビール飲料に出向、2001年取締役営業企画部長、03年純粋持ち株会社移行に伴いサッポロビール飲料を新設、04年サッポロ飲料に社名変更。06年同社事業開発・経営戦略・SCM担当役員。09年サッポロホールディングス常務取締役を経て、11年同社社長兼グループCEO。

── 堀社長は自他ともに認めるビール党だとか。

 1日に缶ビールを5〜6本は飲みますね。冷蔵庫を開けて残りが2〜3本しかないと不安になります(笑)。時間があれば一番安く売っている店を自分で探し出して、車でケース買いに行くんです。

上條 大変ありがたいお話ですね。とかく「国内ビールの総需要が厳しい」と言われる中にあって堀社長のお話は心強い限りです。

── 近年、若者のビール離れが顕著ですね。

上條 お酒にさまざまな種類が増えて選択の幅が広がったり、飲まず嫌いという背景もあるのだと思います。ビールの原料の基本は麦芽とホップと水、そして酵母です。個人的には、これほど自然由来のものだけでできた飲料を口にしないのはもったいないと考えているんです。

 家庭の話で恐縮ですが、私の子どもは男3人兄弟で、成人してお酒を覚えたころは、全員が苦いものや炭酸がきついのは苦手だと言っていました。でもビールを片手にワイワイやることで、ストレスの発散もできるし、場を楽しめると分かってくる。ビールに触れる機会を持つにつれ、よく飲むようになりました。

 ここ数年で採用した社員の中では、確かにお酒自体を飲まなくなっている傾向は強いですね。

 とはいえ、日本の社会では、お酒を飲む場に行きたくありませんというのは難しい。私が新卒で入社したラジオ局では、毎日のようにビアホールに行ってしまった。そこでワイワイやっている中で、仕事に対するヒントが、ふっと思い浮かぶことも少なくありません。饒舌になったり感情が高ぶると、面白い発想が出てくる。それより何よりカクテルでは上品過ぎて、上司の悪口だって盛り上がりません(笑)。

上條 知り合いのまだ小さい息子さんなのですが、父親がおいしいそうにビールを飲む姿を見て「お父さんだけズルい」と怒るそうです。そういう意味では、将来ビールを身近に感じてもらうための貴重な記憶につながるシチュエーションかもしれません。酔っぱらいは嫌いだというわれわれ世代の父親像とは全く違う像としてつながってくれれば、また、プラスアルファの要因も生まれてくると思います。

 大切ですね。いつか、ああなりたいと思われるような飲み方をしていれば、大人になった時には、すんなりとビール道に入っていけるのではないですか。

 

〝プリン体ゼロ〟のインパクト

── ビール類という意味ではサッポロビールのプリン体ゼロという「極ZERO」の評判がいいですね。ホリプロ所属の三村さん(さまぁ〜ず)がCMに起用されたことは分かる人に分かる面白い仕掛けでした。

 プリン体ゼロという大発明品ですよね。三村は年に数回、プリン体が要因の1つとされる痛風の発作を起こしていたことをテレビでも公にしていました。タイミングよく、まさに、うってつけの商品が発売されたことで、キャスティングしていただいたと感謝しています。

上條 機能系商品なので、マーケットは限定されるとは思っていましたが、発売してみて初めて、これほどプリン体を気にされている方がたくさんいらっしゃったことを認識できました。中身だけでなく機能系商品ということで、ネーミングやデザインの考案は非常に難しかったと聞いています。何より三村さんの前ふりが、今の好調な売り上げに大きく効いているのではないでしょうか。

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