政治・経済

 政府内で消費税率引き上げの先送り議論が浮上し始めたことに、内閣府が困惑している。来年4月に消費税率を8%、再来年10月に10%に段階的に引き上げなければ、財政健全化目標の達成が困難となり、国債の信認が失われかねないとの脅威があるためだ。

「このままの(経済環境で)推移すれば、それ(消費増税)が実施されるわけで、その環境が整っているか、それをどう整えるかに全力で取り組む」

 甘利明経済再生相は、7月16日の会見で、あらためて消費増税は既定路線とする見解を示した。21日の参院選を前に消費増税の発言に言及したのは異例。それでも、そうせざるを得なかったのには理由がある。

 安倍晋三首相のブレーンで、内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授が7月の講演などで、相次ぎ、消費増税に慎重な意見を繰り返したためだ。11日の名古屋市内の講演では「(景気が)心配なときは(税率を)1%ずつ、なだらかに上げていく」ことも選択肢にすべきだと指摘。

さらに13日の都内の講演では「増税は経済に対し大きなショックを与える」と強調。増税に対して、矢継ぎ早に牽制球を送った。

 政府は8%へ引き上げるかの最終判断を10月に行う。4~6月期の国内総生産(GDP)など足元の経済指標が判断材料となる見通しだが、浜田氏は有効求人倍率や完全失業率も考慮して、景気見合いで増税先送りも視野に入れるべきとする。

 内閣府では、増税を先延ばしすれば財政健全化計画も先送りと受け取られ「国債の信認が失われかねない」との姿勢で、浜田氏の発言が、首相の判断にどれだけの影響を及ぼすかに大きな関心を寄せている。

 
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