政治・経済

 巨額の財政赤字、少子高齢化など日本経済の構造問題は深刻であり、アベノミクスをもってしても、これらを容易に解決できるとは思えない。

 しかし、日本経済はともかく、日本企業は、今後、本格的に復活することであろう。その最大のポイントは、グローバル化の成功である。

 貿易立国として成長した日本は、1985年プラザ合意後の円高を機に、企業経営の国際化を本格化した。そして、95年1=㌦79・75円の円高と自動車摩擦を機に、生産拠点の海外シフトを始めた。

 21世紀に入り、大型外国企業の買収が進み、企業経営の真のグローバル化が始まった。特に、グローバル化に先んじて成功した製造業に続いて、最近では、非製造業のグローバル化が成功しつつあることが特徴的だ。

 三菱UFJフィナンシャルグループ、ソフトバンク、三菱商事、三井物産などは、大型外国企業を買収あるいは、出資することによって、大きな成功を収めている。

 かつて、日本では、M&Aに関して、情緒的な拒否反応があった。または、日本の経営者が、外国企業を経営する能力を十分に持ち得なかった。

 そして、買収のノウハウも乏しかった。日本企業がバブルのピーク(90年前後、2000年前後)で外国企業を買いあさり、巨額の損失を計上する例が多くみられた。いくら優良企業といっても、目の飛び出るような高値で買収したのでは、成功しようがない。

 ところが、幾多の苦い経験を経て、JT、ブリヂストン、武田薬品、日産自動車、信越化学などは、クロスボーダーの大型M&Aを成功させ、グローバル企業に変身した。

 かつては、高値買いを揶揄されていた日本企業だったが、円高、株安の極であった2010~12年に、外国企業買収額は史上最高水準となった。つまり、価格が最も安いタイミングで、外国企業を大規模に買収したのである。そして、最近では日本でも、海外経験豊富な経営者が育ってきた。

 これらの効果は、今後本格化しよう。日本にとって、世界最大の市場である米国は、今後、3%前後の経済成長が続くと予想される。米国金利は上昇し、日米金利差が拡大することから、為替相場は、14年以降、1㌦=110円台で推移しよう。

 長い円高、景気低迷の間に、日本企業は筋肉質になった。そして、それらを支える銀行、証券、商社も完全復活した。過去1年間(今年7月末)に、日本株は58%上昇し、世界の25%上昇を大きく上回っている。

 一般的には、株価上昇の主因はアベノミクスであるといわれている。しかし、日本株上昇の本質は、株式市場が、日本企業のグローバル化を高く評価した結果なのである。

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