政治・経済

ネット証券最大手のSBI証券は、NISA口座を中心に投資初心者の開拓を順調に進めている。サイトや取引ツールの充実を図る一方で、セミナー開催や仲介業者を通した対面営業も強化している。髙村正人社長は「NISA口座の獲得シェアを全体の10%にまで高める」と意欲を燃やす。

NISA口座全体に占める投資初心者は2割近くに

 消費増税への懸念や新興国問題といった不透明要因で、国内株式市場は膠着相場が続く。

 一方、髙村社長は企業業績の回復や日本銀行による追加緩和への期待から、4月以降の株式市場は好調に推移すると予想。「企業の前向きな設備投資が市場にポジティブな影響を与える可能性が高い」とみている。
 こうした動きの中、SBI証券ではNISA口座の開設申し込みが約45万件に達した。開設数で業界3位になったとみられており、リテール営業部隊を持たないネット証券としては抜群の成績を残したと言える。
 しかし、SBIではNISA口座の開設シェアを市場全体の10%とする意欲的な目標を掲げる。対面証券会社や銀行が既存顧客を囲い込む中、競合他社以上に新規開拓を強化し、目標達成を目指す。

 現時点での同社のNISA口座全体に占める投資未経験者は2割近い。

 髙村社長は「投資を行ったことのない方が着実に顧客になっています。NISAの理念である投資家の裾野拡大に貢献しているという自負がありますね」と語る。投信積立でも全1万口座以上のうち、投信初心者が優に3割を占める。
 「3割という数字は当社にとって驚きでした。相場の動きに一喜一憂せずに長期間で分散投資できる投信のメリットをうまく説明していきたいですね」。

アクティブ層から投資初心者まで取り込む戦略

 同社では、各種の施策を通じて一層の初心者開拓に注力している。

 1つ目は顧客ニーズに合わせたスマートフォンサイトの全面リニューアル。操作性の向上や画面デザインの改良など、使い勝手が格段に良くなった。
 マルチデバイスへの対応を強化する一方で、リアル店舗でも顧客を獲得している。グループ会社のSBIマネープラザは北海道から九州まで、全国に支店網をはりめぐらせている。

 投資のプロによる資産運用セミナーはもちろん、上場企業経営者を招いた会社説明会も随時開催。

 髙村社長は「個人投資家が経営者と身近に交流できるセミナーを定期的に行っているのは、ネット証券ではSBIグループだけです。投資家と上場企業双方から大変ご評価いただいています」と強調する。
 そのほか、SBI証券は、数多くの金融商品仲介業者を抱えている。現在では、SBIマネープラザのほか、約200業者近くにまで拡大した。
 「ネット証券だからこそ、対面営業とコンフリクトを起こさずにシナジーを生むことができます」(髙村社長)。
 同社は新規株式公開(IPO)を目指す法人を対象にした引き受け業務を強化しており、この2年間で合計11社の主幹事を務めた。

 IPOは初値が売り出し価格を大幅に上回る“初値神話”が復活しており、アクティブ層から初心者層を取り込む上で大きな武器になっている。

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