政治・経済

 ポスト畑中の行方は--。新年度を迎えて、金融庁では早くも次期長官や幹部人事をめぐる観測が強まっている。民主党政権時代から4人の金融担当大臣に仕え、異例の3年目を迎えた畑中龍太郎長官が今夏に退任した場合、体制が一新されるかに注目が集まっているためだ。

 高木祥吉長官以降直近の5人の長官は、監督局長からの昇格のため、1976年入省の畑中長官の後任は78年入省の細溝清史監督局長ということは衆目の一致するところ。

 だが問題はその後だ。畑中長官が高く評価するのは80年入省の森信親検査局長。昨年、畑中長官が留任した理由について複数の幹部が「子飼いの森さんを確実に金融庁長官にするため」という見方を披露したぐらいだ。実際、昨夏で畑中長官が勇退すれば、当時総括審議官だった森氏が、上がりポストとされる総務企画局長や証券取引等監視委員会委員長となる可能性もあった。ただ、庁内では森氏の評判は必ずしも高くなく、「細溝さんが2年やれば、森さんが長官になるかは分からない」という声も出ている。

 そのほかにも畑中体制で、入省年次とポストが逆転した三井秀範総括審議官(83年入省)と82年入省の遠藤俊英、池田唯一両審議官の処遇も焦点だ。

 業界に対しては豪腕と言われた畑中体制は、公募増資をめぐる増資インサイダーで証券業界に、乗り合い代理店規制に関する保険業界に、中小企業円滑化法終了後も貸し渋りや貸しはがしをしないように金融機関への監督を強化するなど、「ベターレギュレーション」を合言葉にどちらかといえば管理監督の強化に動いてきた。仕えた大臣も金融行政に精通や関心が深いとはいえない大臣が多く、「実際はこの3年は畑中長官の思いどおりに金融行政は動いていた」と業界関係者は指摘する。

 4年目に突入する可能性はほとんどないとはいえ、畑中長官の院政か体制の一新か。金融庁職員にとっても、金融業界にとっても夏の人事異動に向けやきもきする日々が続きそうだ。

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