政治・経済

建設業界では最大7万人を外国人労働者でカバー

 政府は人手不足が深刻な建設業界に限って外国人労働者の受け入れを拡大する緊急対策を決めた。

 東京五輪の関連施設の建設準備を視野に置いた、2015年度から20年度までの時限措置。受け皿となる「外国人技能実習制度」の滞在期間は最長3年間で再入国が認められていなかったが、法相指定の在留資格「特定活動」で2年間の延長を認め、連続5年間の滞在が可能になる。再入国する場合は最長3年間の滞在を認める。

 政府の試算では、15〜20年度の6年間で建設業界は延べ15万人の人材が不足、うち最大7万人を外国人でカバーできる。

 技能実習制度で滞在する外国人は現在、約1万5千人で、年間で約1万1千人が上乗せされる計算となる。大半が中国人やベトナム人となり、新たに国土交通省が立ち入り検査などで管理・指導を徹底することになった。

 技能実習制度は新興国から研修生を招き、日本の技術を海外に移転する狙いがある。建設業界でもアジアでの事業展開を視野に、積極的に受け入れる企業がある。

 

外国人労働者受け入れは東京五輪までのセーフティネット

 

 だが「人材確保が難しい下請け企業が日本人より低いコストで外国人を活用している」(業界団体)との指摘も少なくない。研修生が出稼ぎ目的で来日し、帰国後はより待遇のいい仕事に転職する例もあり、制度は半ば形骸化している。

 今回の緊急対策を国交省は「あくまで東京五輪までのセーフティーネット」と位置付ける。

 「いざ人手不足となった時に、手当てできないでは済まされない」(担当者)ともいう。

 だが建設業界では今回の対策について、不法就労などのトラブルを懸念して「本音では外国人を使いたくない」(大手ゼネコン)という声が大多数を占める。

 大手建設会社の鹿島は緊急対策が発表された直後に、業界育成のための若手登用策を発表した。

 政府は今後、介護や家事支援、農林水産業や製造業など経済界全般での対応で検討を急ぐ。建設業での取り組みがその試金石となるが、運用には紆余曲折が予想されそうだ。

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