マネジメント

ピンチは前向きに乗り越える

 長年キッコーマンという会社が存続できたもう1つの理由として、事業環境の変化に柔軟に対応してきたことが挙げられよう。1950年代以降、日本経済が高度成長に差し掛かった時期から、既に国内需要の頭打ちが始まっていた。そこでキッコーマンがいち早く取り組んだのが、多角化と国際化である。

 多角化に関しては、デルモンテのジュースやケチャップ、ワインといった醤油以外の食材を手掛けるようになったほか、バイオ分野への進出も果たしている。一方、国際化に関しては、今や売上高の45%、営業利益の70%程度を海外から稼ぎ出すにまで至っている。ナショナルブランドから、今度はグローバルブランドへの変貌である。

 現在は世界的な日本食ブームもあって、日本の食品メーカーには追い風のようにも思える。だが、茂木氏によると、醤油に限っては必ずしもその恩恵を受けているわけではないという。むしろ、海外で現地の料理に醤油が使われるケースが増えているため、さまざまな料理に使える万能調味料としての特徴を生かしてマーケットを拡大していく考えだ。他方では、醤油以外にグローバル展開できる第2、第3の事業の柱を育てることを今後の課題ととらえている。

 茂木氏は言う。

 「企業の寿命は30年と言いますが、大体30年に一度くらいは大きな問題が起きるものです。企業が長期間生き延びられるかどうかは、それを乗り越えるかどうかということにかかっています。ただ守るだけでは駄目で、ピンチを前向きに乗り超える。そういう意味で、われわれは、積極的に立ち向かう姿勢を貫いてきました。いろんなピンチをその都度、努力によって乗り越えてきたことの繰り返しなんです」

「ジャパン発のグローバルブランドを目指す」堀切功・キッコーマンCEO

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