政治・経済

コミットメントとアカウンタビリティは経営者の義務

 

 選挙は一般的には政党、もしくは候補者の公約からスタートする。最近では、それをマニフェストと呼ぶ。

 しかし、その公約が実行されることはまれであるし、そもそも実行する気などないのでは、と思ってしまう。

 フランス元大統領のシャルル・ド・ゴールはこんな言葉を残しているそうだ。

 「政治家は心にもないことを口にするのが常なので、それを真に受ける人がいるとびっくりする」

 真に名言で的を射ていると感心している。

 しかし、会社の経営者はこれでは務まらない。経営者は株主の虎の子のお金を預かって事業を通じてそれを増やさなければならない。したがって、経営者はまず業績に対しコミットメント(約束)をしなければならず、さらに肝要なことはその約束に対しアカウンタブル(結果に責任を持つ)でなければならないはずだ。

 アカウンタビリティのことを日本では説明責任と訳されることが多いが、結果責任と訳すのが正しいと信じている。社会人になって今年で43年目になるが、若い頃にはこの言葉こそ使わなかったものの、与えられた目標は何が何でも達成するぞと、その達成にこだわってきた。

 したがって、過去42年間、当初の計画が達成できなかったことは一度もない(はずだ)。5年前からカルビーの会長兼CEOの職にあるが、従業員一人ひとりに「ビジネスはコミットメント(約束)から始まり、いったんコミットしたならばアカウンタブル(結果に責任を持つ)でなくてはならない」と、耳にタコができるほど繰り返し伝えている。

 

カルビーの文化になったコミットメント&アカウンタビリティ

 

 最近では、「コミットメント・アンド・アカウンタビリティ」では長いので、略して「C&A」と言えば社内では通じるくらいカルビーの文化になってきた。

 カルビーは2011年3月11日の東日本大震災の日に東証1部に上場したが、その日、主力工場が大きな被害に遭った。

 しかしその際も、いったん約束した計画は何が何でも達成しよう、という従業員の意気込みと努力があって大きな危機を回避し、既に立てていた翌年度の計画を達成し増収・増益を果たした。

 ビジネスはできる限り高く、かつ達成可能な目標を立て、達成するという約束を株主をはじめとするステークホルダーと結び、その約束に徹底的にこだわって努力し、結果に対して責任を取る覚悟が必要だと思って会社経営にあたっている。

 さて、冒頭の政治の話に戻るが、シャルル・ド・ゴールはこんな言葉も残しているそうだ。

 「政治とはあまりにも重大な事柄なので、政治家に任せておくことはできない」

 日本人は過去二十数年間、選挙の度にマニフェスト(政治家のコミットメント)に裏切られ続けてきた。そして、今は安倍政権に日本経済の復興をはじめとする諸問題の解決を託している。

 この政権がアカウンタビリティのある政権であることを、一国民として願っているのだが。

 

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