マネジメント

 今回のテーマは、「個人情報管理の重要性」です。ここでは、かつて世間を騒がせたYahoo! BB(以下、ヤフーBB)の顧客情報流出事件を基に、個人情報管理の重要性について説明します。

 

【事 例】

 2001年9月、インターネット接続サービス業界に革命的な新サービス、ヤフーBBが登場しました。高速なインターネット接続サービスを競合他社よりも圧倒的な低料金で利用できるとあって、ヤフーBBは業界内外から注目を集め、加入者数をまたたく間に増やしていきました。

 当時のサービス運営会社BBテクノロジー(以下、BB社)は、顧客増に伴い増え始めたサーバートラブルに対処すべく、社外からもサーバーのメンテナンスが行えるよう、遠隔メンテナンスサーバーを設置しました。このサーバーは、インターネットを通じて接続することができ、そこから顧客データが格納された社内のサーバーにも接続することができました。

 もちろん、同サーバーにアクセスできる権限を持ち、サーバーへのログインアカウントが付与されていたのは、限られた数の担当者のみ。ところが、元担当者の1人が、自分のアカウントを不正に使用。結果的に、450万人を超える顧客情報が流出するという大事件が引き起されたのです。

 この事態を受けて、ヤフーBBの顧客の一部はBB社に対し、損害賠償を求める訴えを起こしました。果たしてこの事件の結末はどうなったのでしょうか。

 

【解 説】そのシステム、ちょっと待った!

 ヤフーBB事件では、BB社の「個人情報適切管理義務違反」が認められ、1人当たり6千円の賠償金支払いが命じられました。その判決内容は以下のようなものです。

 「ヤフーBBの利用者数の急増で、BB社における当時のメンテナンス作業量が相当量に達し、顧客データベースに不具合が生じた際に、至急復旧する必要性があったことから、社外からのメンテナンスを行う必要性がなかったとまでは言えない。だが、アカウントを定期的に変えていないなど、アカウント管理が極めて不適切であったことは否定できない」

 メンテナンスの担当者にとって、遠隔メンテナンスのシステムは、ありがたい仕組みです。しかし、実際の導入・活用時には、「(1)本当に設置すべきか否か」、「(2)設置したシステムの運用が適切かどうか」の2点を、情報流出阻止の観点から十分に吟味する必要があります。

 BB社も、サービス提供当初は、顧客データサーバーに対するインターネット経由のアクセスを一切認めないなど、顧客情報管理を徹底させていました。ところが、ビジネスの急拡大で、サーバーのアカウント管理に隙が生まれ、顧客情報の大量流出へとつながっていったのです。

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