政治・経済

日本の食材の評価が高いことは、もはや世界の常識になりつつあるが、実際、海外ではどのような食材が求められているのだろうか。

「デパ地下」はアジアでも人気

《上海》

 外国人観光客が驚き、印象に残った場所として隠れた人気を誇るデパート地下の食品売り場。通称「デパ地下」。百貨店大手の髙島屋の海外店でも「デパ地下」の人気は高いそうだ。

 上海の中心地、羽田からの直行便も飛ぶ虹橋空港の近くに位置する上海髙島屋。近郊には外国人や富裕層も多く居住する。その上海髙島屋の地下1階に、食料品売り場のタカシマヤフードメゾンはある。

 輸入品が1千品目置いてあるが、約20%が日本からの輸入品だ。地元の中国人顧客にも日本の食材に対する「安心・安全」、「おいしい」という意識は強いようだ。物流の問題もあり、モノによっては日本の倍以上の値段になることもあるが、驚くことに、現地の多くの顧客は価格を気にせず購入するという。理由として顧客の多くが中国人富裕層であり、日本への渡航経験を持つ人も多いのだそう。

 旅行時に経験したのか、日本商品への信用や日本人の誠実さなどへの全幅の信頼があるそうで、価格を気にすることもなく購入するようだ。そのせいか、日本の物に対しては好奇心が強く、初めてのものでもトライする顧客が多いという。

 そこには、中国人自身が自国の食品の安全性に疑問を持っていることもある。

 最近のアンケートによれば、ナショナルブランドだけでなく、地方の特産品をもっと輸入してほしいという声も上がっているそうだ。まだ、開業2年目ということもあり日本の〝食〟市場は産声をあげたばかり。現在、中国は原発の影響から農水産物の輸入制限を設けるが近い将来、有力な市場になりそうだ。

地元にとけ込むシンガポールの髙島屋

地元にとけ込むシンガポールの髙島屋

《シンガポール》

 一方、シンガポールの目抜き通りオーチャードロードにある髙島屋は、開店から既に21年がたつ。シンガポールでは髙島屋のみならず、日本のものは既に珍しいものではなくなっており、顧客も富裕層だけでなく中間層にまで広がる。

 輸入食品が100ブランドある中で、日本のブランドは13ブランドを占めるが、現地食材を使用した日本食ブランドも16ある。これは、うまく現地化が進んだことを示す。

 日本食のイメージに高級感はあるそうだが、日本の食に関する物産展では商品を持ち込んで販売するだけでは既に売れなくなっている。日本から販売員がやってきて、催事ノウハウを含めたサービスが成否のカギになるそうだ。その点で顧客も成熟していると言えるようだ。

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