テクノロジー

 超電導が21世紀の世界を大きく変えそうだ。

 2027年にJR東海が名古屋〜東京間に夢の超電導リニアを開通させようとしている。車に積んだ超電導磁石が磁気浮上を可能にする。上海の吸引型磁気浮上列車とは全く違う。反発型で10センチも浮き上がり、線路との距離調節も不要だ。安全性とメンテナンスの観点から本質的に優れる。

 国鉄時代から日本が50年かけて育ててきた独自技術である。また、米国への技術提供も行われる気配となってきた。

 一方、高温超電導送電も現実味を帯びてきている。北海道石狩市で、発電所からさくらインターネットという民間のデータセンターに向けて高温超電導直流送電の試験が行われる。中部大学と住友電工などが協力する経産省のプロジェクトだ。50ヘルツといった交流ではなく、直流でしかも低電圧大電流送電であることに特色がある。

 大電流を送電するには従来は太い銅線を使わなければならなかった。しかし、高温超電導線では液体窒素を管路に流して冷却すれば、同一断面積の線材で100倍の大電流を通じることができる。発電所から細い管路を地中に埋めてそのままセンターまでつなぐ。設置工事費が安くなるので液体窒素での冷却を考えても、全コストで競争力が出てきた。

 石狩市での超電導送電実証試験がうまくいけば、これを北に伸ばして北海道の風力地帯の電力を集めることも企画されている。さらには南に伸ばして超電導で本州につなげようという魂胆もある。単なる夢ではなくなった。

 日本列島を縦断する背骨となる直流超電導ケーブルを通すことができれば、日本全体の電力融通を図ることができる。ふらつく再生可能エネルギーによる発電がいろいろな地帯での発電と消費を融通することで平坦化される。日本が再生可能エネルギーのみで生きていく時代への大きな福音だ。

 超電導直流ケーブルは外部への電磁漏洩が全くないので、高速道路などの地下にケーブルを埋設できる。空中の高圧電線が美しい自然景観を台無しにすることもなくなる。

 そして、地球規模で東西南北のネットワーク型超電導直流送電が完成すれば、究極のスマートグリッドとなろう。そうなれば、本格的再生可能エネルギー時代が到来する。

 
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