マネジメント

事業をいつ、誰に、どんな形で託すかは、多くの経営者にとって重大な関心事だ。特に少子高齢化のわが国においては、後継者不足は以前よりさらに深刻な問題となっている。本特集では、親族による事業承継の成功例と失敗例、M&Aによる後継者問題解決の現状など、さまざまな事例とそこで展開されたドラマを追っていく。

事業承継M&Aセミナー

活況を呈する事業承継M&Aセミナー(写真提供:日本M&Aセンター)

少子化と先行き不安で同族承継が困難に

経済産業省の調べによると、1992年に78・9%を占めた親族による事業承継の比率は、2008〜12年には40・8%に低下。一方で、従業員による承継やM&Aなど第三者による承継の比率が増え、こうした傾向はますます強まる見通しだ。

 事業承継M&Aを手掛ける日本M&Aセンターによれば、90年に54歳だった企業経営者の平均年齢は2012年には58・7歳になり、後継者の不在率は65・9%にも達したという。後継者難による廃業は年間7万6千社にも及び、これにより失業者は年間35万人になるという深刻な実態が明らかになっている。

 背景にあるのは少子高齢化で、後継者の絶対数そのものが減っていることに加え、先行き不透明な経済環境を考慮して、オーナー企業の社長の息子といえども、事業承継を躊躇するケースが増えていることなどが要因として挙げられる。後継者が見つからぬまま経営者が高齢化し、そのまま廃業するというパターンも珍しくなくなっている。

 こうした事情から、従業員による事業引き継ぎや第三者によるM&Aが増加しているわけだが、多くの場合こちらも決して容易ではない。事業承継とは単に経営者が変わることではなく所有権も同時に変わることを意味するため、従業員に経営を引き継ぐ場合には会社の資産と負債をどのような形で相続するかが問題になるケースが多い。

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