政治・経済

多世代交流ステーション

空き店舗に開設した多世代交流ステーション(千葉市美浜区)

NPO運営の新施設多世代が気軽に交流

 住民の高齢化が進む東京圏の住宅団地で、医療や介護、多世代交流などの複合施設を併設する動きが高まっている。千葉市稲毛区の園生団地には「生活クラブいなげビレッジ虹と風」が、同市美浜区の海浜ニュータウンでは「多世代交流ステーション・にこりこ」が相次いで登場した。高齢者の居住環境を整えると同時に、多世代の住民が触れ合う街づくりを目指そうとの戦略だ。

 JR京葉線の稲毛海岸駅から歩いて7分、食品スーパーや商店など18店が入る千葉市美浜区の高洲第一ショッピングセンター内に2013年10月、オープンしたのが「にこりこ」だ。40平方㍍の空き店舗を改装してつくった施設内に足を踏み入れると、幼児連れの若い母親10組が「ベビーマッサージの講習」を受けている最中だった。

 親子で遊べる無料のキッズスペースには玩具が用意され、幼児用のトイレやおむつ交換、授乳の場所が整う。買い物の途中に気軽に立ち寄れる憩いのスペースや手作り品の展示コーナーもある。日々の困りごとの相談に応じる窓口を設けるなど、気配りが行き届いている。

 動き出して半年たつが、絵本の読み聞かせや料理・お菓子教室、日曜大工の講習会、年金・ローン相談会などのイベントがひっきりなしに開かれるようになった。地域の住民が持ち込むイベントが多く、子育てを終えた世代の知恵を生かして子育て世代を応援する機会が増えてきた。

 運営するのは海浜ニュータウンの団地再生を目指して千葉大学の教員が03年に設立したNPO法人「ちば地域再生リサーチ」。鈴木雅之事務局長は「子どもから高齢者まで気軽に立ち寄り、多世代が交流するモデル事業にしたい」と意気込む。

 海浜ニュータウンは都市再生機構の分譲・賃貸住宅や県営・市営住宅、民間住宅などが集合する人口11万人のベッドタウンだ。高度成長期に建ったため、住棟の老朽化が目立つ。住民も高齢化、老齢化率が40%に達する。

 最近では高齢者の独居世帯と空き部屋の急増。「このままでは地域の活力が衰退してしまう」(鈴木事務局長)という思いから、ニュータウンを活性化させる事業をNPOとして取り組んでいる。

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