政治・経済

 法人税改革をめぐる議論が本格化してきた。5月27日に開かれた自民党税制調査会の小委員会では、安倍晋三首相が意欲を示す法人税の実効税率引き下げの代替財源に関し、「外形標準課税」の拡充を検討する考えが示された。6月上旬に基本的な考え方をまとめ、同月中に策定する政府の経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させる。

 小委員会で整理された法人税改革の論点には、「応益課税の考え方に基づく地方法人課税の改革」が盛り込まれ、外形課税の強化を検討する方針を打ち出した。

 外形課税は、従業員への給料といった、企業が生み出した付加価値の金額などに応じて税金が掛かる仕組み。利益への課税でないため、赤字企業も税金を支払わなければならない。自民税調の方針について、麻生太郎財務相は27日の閣議後会見で「それも1つの考え方」と述べて賛意を表し、減税するならば、「それに代わる(社会保障費見直しなどで生み出す)恒久財源がなければならない」との考え方を、あらためて示した。

 財務省の試算によると、実効税率を1%引き下げると、4700億円の税収減となる。外形課税を拡充すれば、「兆円」単位の増収が見込め、十分補われる可能性がある。

 ただ、今後は調整が難航する恐れもある。自民税調の小委員会では、外形課税の対象を中小企業に広げることに反対意見が出た。日銀の黒田東彦総裁は、同日の経済財政諮問会議で「(恒久的な代替財源なしで)議論が進むことを懸念する」と述べ、財政改革との両立の観点から、慎重な対応を求めている。

 また、麻生財務相は、23日の記者会見で、「(法人税を下げた分が)内部留保に回っては意味がない。コーポレートガバナンス(企業統治)が必要だ」とも述べた。企業が意識改革し、配当を手厚くするなど、お金を有効に使うようにすべきとの考えだ。財務省では、法人減税と併せ、企業統治の強化を政府の新成長戦略に盛り込むべきだとの意見も上がっている。

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