政治・経済

 国内の格安航空会社(LCC)でパイロットの病欠や退職などによる欠航が相次ぎ、国土交通省は今夏をめどに確保策をまとめる。外国人や自衛隊員の活用も視野におく。具体的にはパイロットが服用できる医薬品の種類を増やし、乗務の機会を増やすほか、外国人のパイロットが日本の航空会社に転職する際、日本で操縦士の試験を受け直す必要がある手続きを簡素化するなどの案が出ている。

 2012年3月にピーチ・アビエーションが国内線で初の運航を開始した国内の「LCC元年」から3年目。パイロット不足や整備体制の遅れで、バニラ・エア、ジェットスター・ジャパンの3社ともが減便や増便の延期に追い込まれた。新しい顧客層を開拓して急成長してきた一方、運営体制が追い付かない現状が浮彫りとなっている。

 国交省によると、国内線の旅客数におけるLCCのシェアは、3月末で7・5%と過去最高となった。また観光庁によると、昨年1年間の国内旅行消費額は約22兆5千億円と6年ぶりに増加に転じた。訪日外国人に加え、景気回復で日本人の国内宿泊旅行も増加している。ともに今後さらなる上積みが期待されるが、LCCの欠航が影を落としかねない。

 LCCは余剰の機材や人員を抑えることでコストを抑え、割安な運賃を提供して若者を中心に顧客層を拡大してきた。だが短期間で路線や便数が拡大した影響でパイロット不足は深刻で、LCCの自社による要請は時間も費用も懸かって難しい。

 国内系各社は、系列の全日本空輸や日本航空の協力で運航体制の立て直しを急ぐ。ただ6月末からは、中国のLCCの春秋航空などが出資する春秋航空日本が成田空港を拠点に国内線3路線の運航を開始。競争は激しくなるばかりだ。

 LCCのみならず、航空業界はパイロット不足が深刻。世界的な需要の拡大と退職者の増加で、30年代にはよりひっ迫するとされており、業界をあげた育成も課題となっている。

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