文化・ライフ

「スイングは上半身と下半身を折り曲げたまま捻る運動。腰に負担がかかるため、腰痛は避けられない」と考える人は多い。だが、それは腰の回転を腰椎部分で作ろうとしているため。正しくは胸椎と股関節を使う。そのための構え方を説明しよう。

脊椎

脊椎は頸椎、胸椎、腰椎からなる。腰椎の下にある仙骨と尾骨は骨盤の一部。腰椎と胸椎の境目が大きく回旋することをイメージする

ゴルフで腰痛が起きる場所は?

 ゴルフは腰に悪い運動だという説は正しいのでしょうか。私の見解は違います。身体構造を理解し、合理的な構え方で正しく動くならば、ゴルフスイングで腰を痛める危険はごく小さく抑えられるのです。

 誤った構えの代表例は腰を立てたまま落とし、背中を丸めてクラブヘッドをボールに届かせる形。これでは胴体が回転せず、手だけでクラブを上げ下げすることになります。

 もう1つは、骨盤を前傾させ、同時に胸を張り背筋を伸ばした構え方。背中の下部が反って張る感覚があり、アスリート的に「頑張っている」雰囲気があるため、これが正しいと勘違いしがちです。が、この勘違いと負荷こそが腰痛の原因になっているのです。

 腰痛が起きる場所は、骨盤のすぐ上の部分。そして「胴体を捻る」という言葉で連想する動きも、この部分をひねることだと思います。しかし、この部分は構造上、回旋という動きには不向きなのです。

ゴルフによる腰痛を防ぐには腰椎ではなく胸椎を回旋させる

 脊椎は上から7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎に分けられますが、これらはすべて同等に機能しているのではありません。骨盤のすぐ上にある腰椎は、全部合わせて左右に5度程度しか回旋できない構造なのです。つまり反らせて動きを悪くしたうえでこの部分を回旋しようとすることは大きな負担となります。

 それに対して、胸椎は中心軸を保って大きく回旋させることができる構造です。つまり胴体の捻転に際し機能するのはいわゆる〝腰=骨盤と腰椎〟ではなく胸椎、特に腰椎との境目部分と股関節なのです(股関節については次回説明します)。

 胴体を十分に捻転させるには、脊椎全体を自然な状態にすること。脊柱は頭の重さを支えるためにS字状にカーブを描く構造ですが、それをキープすることが重要です。

理想的なポスチャー

背中上、下部ともにニュートラルな理想的なポスチャー(姿勢)。脊柱の自然なS字も保たれ、ストレスなく捻転できる

 どこにも力が入らないよう注意して「気をつけ」の姿勢をとり、脚の付け根で折る。こうすれば背骨が自然な状態のまま骨盤ごと前傾できます。

 そして、骨盤のすぐ上を限界まで反ってみましょう。次は逆に同じ部分を丸めます。これら両極端な限界値の間に前にも後ろにも負担がかからないニュートラルなポジションがあります。さらに背中の上部についても、丸める限界値と反る限界値を確かめ、ニュートラルに戻します。

 どちらもニュートラルは、ピンポイントでなく、ある程度許容範囲があります。その中で心地よく感じられれば正しいと了解してください。

CEOゴルフのポイント

□ 身体構造に沿った合理的な構えと動きの理解が大切。

□ 腰椎を捻るのではなく、背骨全体の回旋と股関節を使うことが捻転の正体と知る。

筆者の記事一覧はこちら

体感を確かめておく

背中上部と下部を反らした状態と丸めた状態。その間のニュートラルな状態の体感を確かめておく

骨盤下にある股関節を使うのが正しい

「腰を回す」動きは腰椎を捻るのではなく、腰椎は保持し、その上の胸椎、そして骨盤下にある股関節を使うのが正しい

 

関連記事

好評連載

二宮清純のスポーツインサイドアウト

一覧へ

米山公啓の現代医療の真相

一覧へ

見落としやすい薬の副作用

[連載] 現代医療の真相(第19回)

現代医療の真相

[連載] 現代医療の真相(第18回)

肺炎球菌ワクチンから見えるワクチン後進国日本

[連載] 現代医療の真相(第17回)

認知症・徘徊老人を受け入れる街づくり

[連載] 現代医療の真相(第16回)

サプリメント・ブームにもの申す

[連載] 現代医療の真相(第15回)

インフルエンザ予防接種は受けるべきか

吉田たかよしのビジネス脳の作り方

一覧へ

ネット検索の集中力は「独り言」で高まる!

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第20回)

ビジネス脳の作り方

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第18回)

人材育成のコツ ~部下の才能を褒めるとダメ人材に育つ~

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第17回)

株取引の損得は男性ホルモン量で決まる?

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第16回)

アルツハイマー病は脳の糖尿病!?

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次世代の医療現場を支える病院経営の効率化を推進――保木潤一(ホギメディカル社長)

1964年にメッキンバッグを販売して以来、医療用不織布などの、医療現場の安全性を向上する製品の普及を担ってきた。国は医療費を抑える診断群分類別包括評価(DPC制度)の導入や、効率的な医療を行うため病院のさらなる機能分化を実施する方針を掲げており、病院経営も難しい時代に入っている。ホギメディカルは手術室の改善か…

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

ペット仏具の先駆企業が「ペットロスカフェ」で目指す癒しの空間づくり

家族のように接していたペットを亡くし、飼い主が大きな喪失感に襲われる「ペットロス」。このペットロスとなってしまった人々が交流し、お互いを癒し合うカフェが、東京都渋谷区にオープンした。「ディアペット」を運営するインラビングメモリー社の仁部武士社長に、ペット仏具の世界とペットロスカフェをつくった目的について聞いた…

元引きこもり青年が「cluster」で創造する新たなVRビジネスとエンターテインメント(加藤直人・クラスターCEO)

日本人の英語学習の課題解決に向け、学習者目線のアプリを開発―― 山口隼也(ポリグロッツ社長)

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2019年3月号
[特集]
環境が経済を動かす

  • ・総論 災い転じて福となせるか 持続可能な社会の成長戦略
  • ・越智 仁(三菱ケミカルホールディングス社長)
  • ・100年後を考える 世界最大級の年金基金「GPIF」
  • ・金融業界はこう動く
  • ・脱炭素化の遅れがはらむ「座礁資産」の危険性
  • ・脱炭素化で移行する「地域循環共生圏」とはどういう社会なのか!?

[Special Interview]

 中田誠司(大和証券グループ本社社長)

 「SDGsを経営戦略の根幹に据えることで企業は成長する」

[NEWS REPORT]

◆稲盛哲学を学ぶ盛和塾解散を塾生たちはどう聞いたか

◆米中経済戦争の象徴となった「ファーウェイ」強さの秘密

◆EV時代にあえてガソリンエンジンにこだわるマツダのプライドと勝算

◆それは自由か幸福か——「信用スコア」で個人の信用が数値化された世界

[特集2]関西 飛躍への序章

 大阪万博開催で始まる関西経済の成長路線

ページ上部へ戻る