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2014年11月4日中間選挙展望上院で共和党が勝利するかがポイント

 米国では、2014年11月4日に中間選挙が行われる(上院全100議席のうち3分の1を占める33議席と補選分3議席の計36議席、下院全435議席が改選予定)。同選挙では、「民主党が上院で、共和党が下院で引き続き過半数を確保する」との現状維持がコンセンサスだったが、最近では上院で民主党が過半数(50議席以上)を確保できない可能性が指摘されるようになってきた。

 こうした見方が出てきた主な背景としては、①目ぼしい実績に欠けレームダック化しているオバマ政権の不人気(ギャラップ社によると、オバマ支持率は45%と低水準)、②茶会運動(小さな政府を強硬に主張する草の根の運動)とは一線を画す共和党のエスタブリッシュメント候補が、同党予備選のみならず本選(中間選挙)でも有利な選挙戦を展開する可能性が出ていること、が挙げられる。

 本選に先立ち、14年3月から行われている共和党予備選では、目下、エスタブリッシュメント候補らが勢いを増している一方、茶会運動系候補が苦戦していることは注目に値しよう。

 上院では、共和党の重鎮であるマコーネル院内総務(ケンタッキー州)やグラム上院議員(サウスカッライナ州)が茶会運動系候補に圧勝し、ノースカロライナ州やテキサス州など11州(6月10日時点)でもエスタブリッシュメント候補が本選候補として選出されている。また、下院ではベイナー下院議長が茶会運動系候補に圧勝し、同議長のリーダーシップに対する茶会運動の批判を打ち消した格好となった。ギャラップ社の世論調査によれば、共和党支持者の間で茶会運動を支持すると回答した割合は、茶会運動ブームに沸いた10年11月には61%だったが、今年4月には41%と低迷している。

 茶会運動系議員の強硬姿勢が13年10月の政府機関一時閉鎖を招き、共和党支持率を急落させたことを踏まえ、共和党支持層に茶会運動系候補を忌避する機運が高まっているためだろう。

 特に経済界が、政府機関閉鎖や米国債デフォルトといった政治・経済へのリスクを意に介さない茶会運動系候補に対抗すべく、こうしたリスクが小さい候補に対する支援を強化しており(全米商工会議所は5千万㌦を投入すると表明)、これが彼らの予備選勝利の重要な背景となっている。

 また、エスタブリッシュメント候補が巧みな選挙戦術を展開しているのも目を惹く。彼らの多くは、自らこそが本流の保守主義者であることを強調することで、茶会運動系が主張する「保守」の看板を乗っ取るキャンペーンを展開している。彼らは、「もし茶会運動系候補が予備選で党候補に選出されれば、本選での勝利は見込めないため上院で議席を獲得できなくなる」と主張して、保守支持層に対して茶会運動系候補を支持しないよう求めている。

 オバマ政権がレームダック化と支持率低下に悩まされる中で、予備選に勝利したエスタブリッシュメント候補らが本選で政権批判票を獲得できれば、共和党の上院過半数獲得がより現実味を帯びてこよう。

 

中間選挙後に政策協議の一部が再開か

 中間選挙の結果で共和党が上下両院で過半数を獲得すれば、16年の大統領選挙を前に、責任政党としての役割を果たすという機運が共和党内で高まり、党の決定に対する茶会運動の影響力を排除する動きが強まると見られる。これにより、先鋭化していた同党の主張はより現実的内容へと部分的に修正され、長く停滞していた政策協議の一部に進展の可能性も見えてこよう。特に期待されるのはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)である。共和党は、同党主導でTPA(大統領貿易促進権限)法案を可決させTPP妥結を後押しすることで、共和党に十分な政策遂行能力があることを示してくると予想される。

 また、13年7月以降停滞している移民制度改革でも、中間選挙後に共和党主導の法案可決を模索する動きが共和党内で出てくることに期待したい。たとえオバマが中間選挙後も議会に対して強硬な姿勢で臨み続けたとしても、TPA法案や移民制度改革を進めると強調してきた以上、こうした共和党の動きを無視できないのではないか。

 他方で、複数の接戦州で民主党の現職候補や有力若手候補らが幅広い支持を固めれば、民主党が中間選挙後も上院で過半数を死守する可能性が残る。この場合、議会構成が現状と変わらないため、党派対立はオバマ政権下で続き、政治停滞を打破することは困難だろう。

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