政治・経済

斎藤惇

斎藤惇・日本取引所グループCEO

総合取引所の設立で日本市場の存在感を高める

 安倍晋三政権が6月末に取りまとめる新成長戦略で金融庁が関係する施策が多く盛り込まれる見通しとなってきた。

 NISAの拡充、コーポレートガバナンスコードの制定、地域金融機関のリスクマネー供給、有価証券報告書への女性役員比率向上。いずれも新たな動きだが、一方、民主党政権時代から成長戦略で言われてきた総合取引所構想が、自民党日本経済再生本部の成長戦略への提言「日本再生ビジョン」で復活していることも注目される。

 総合取引所構想は、証券取引所と商品取引所を統合し、世界各国の投資家に魅力ある投資先とする市場整備の構想だ。

 世界的には取引所の再編や合従連衡が進んでおり、日本でもこのほどようやく大阪証券取引所と東京証券取引所が経営統合し、日本取引所グループが始動したばかりだ。

 一方、商品取引の分野は、コメ先物などの不振で東京穀物商品取引所が2013年2月に解散。ゴムや石油、金などの商品取引を行っていた東京工業品取引所(現・東京商品取引所)が農産品取引の一部を吸収した。

 だがその後、日本取引所グループと東京商品取引所の間で経営統合に向けた具体的な話は出ていない。

 金融庁は、グローバル競争の中で日本市場の存在感を高める上でも「最終的には総合取引所は必要」(金融庁幹部)との立場だ。

 別の幹部は「東京商品取引所の社長は(通商産業省時代から)経済産業省の天下りポストの1つ。統合して、監督官庁が金融庁になるのを嫌っているのでは」とも見ている。

 日本取引所グループの現在のトップは野村証券出身の斎藤惇氏。ただ、経営統合後の初代社長に元財務事務次官の武藤敏郎氏の名前が一時取り沙汰されたように、金融庁や財務省の有力な天下り先として注目されているのも事実だ。

 総合取引所構想が出た当初も監督官庁の許認可や指導の権限どうするかで、農林水産省、経産省、金融庁の間での調整が難航した経緯があった。

 復活した総合取引所構想をめぐって、金融庁と背後にいる財務省、経産省の水面下での綱引きは激しさを増しそうだ。

 

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