政治・経済

 人材サービス大手パソナグループは経済産業省から事業を受託、中高年層を対象にした転職サポートを開始した。同社が取り組む「人材流動化のインフラ整備」の具体的な中身とは。

市川知之(パソナ執行役員)

市川知之(パソナ執行役員)

中高年層を中心に、企業間でウィンウィンになる人材の橋渡しを

「ご就業者には自らのスキルを生かせる職場を提供し、中小企業にはスキルを持った人材採用で成長の原動力にしていただく。双方にとってウィンウィンとなる支援を実現したい」

 パソナの市川知之・執行役員グローバル事業部長は力を込める。経産省から受託した「多様な『人活』支援サービス創出事業」では、主に海外事業やIT、ものづくりの経験・スキルを有する人材を成長分野の中小企業に橋渡しする。中高年の転職支援を通じて、産業の活性化と人材の適切な流動化を促す計画だ。

 対象となる人材は35~60歳程度で、企業の海外展開を支援する20人と、製造・IT関連企業の新事業をサポートする15~20人。該当人材が在籍する企業と、中小企業の参加を募集している。

 市川氏は「双方の企業からのニーズは非常に高い。9月上旬時点で、人材を求める中小企業数十社の応募が決定した」と笑顔を見せる。

 参加者らは研修を通じて、意識改革やキャリアの棚卸しを行う。研修終了後にヒアリングを経て、出向先企業が決定する。一定期間の就業を通して適性を見極め、出向先と参加者の意思が合致すれば、出向先への転職が決定する。元の職場に戻り、再び研修を受けて新しい企業に出向するケースも想定している。

 中小企業は特に、グローバル化に対応するための人材確保を進めているという。市川氏は「中小企業の多くは、「海外進出にあたって事業立ち上げや現地人材の管理・育成といった経験がある人材を求めている」と説明する。進出予定国に限った経験を求めるなど企業の要求が高度化しているが、同社で蓄積してきた中高年向けの就労支援のノウハウを生かしてマッチングを実現していく構えだ。

 市川氏は「現在の職場で力を生かし切れていなくても、中小企業に転職することで十二分に力を発揮できるよう事例も少なくない」として、雇用のミスマッチ解消にも努めていく。

 事業期間は来年3月までで、事業の検証結果を受けて来年度以降の延長を検討する。

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