政治・経済

 今年4月にコマツの社長兼CEOに就任した大橋徹二氏。坂根正弘氏や野路國夫氏ら歴代社長が培ってきた企業文化と経営ビジョンを引き継ぎ、“コマツウェイ”の深化に意欲を見せる。取り組むのは、イノベーションと既存事業強化などを柱とする成長戦略の推進だ。

大橋徹二(コマツ社長兼CEO)

大橋徹二(コマツ社長兼CEO)

中計でチャレンジングな利益目標に挑戦

―― 社長に就任されて数カ月がたちましたが、今後の抱負について聞かせてください。

大橋 抱負とは違うかもしれませんが、社長就任直後に2013年度から15年度までの中期経営計画を発表し、将来への種まきを行っていくという経営ビジョンを表明しました。中計では、企業価値向上のための、3本柱として、イノベーションによる成長戦略と既存事業の成長戦略、土台強化のための構造改革を掲げました。併せて、数値目標は15年度の売上高営業利益率を18~20%と、大変チャレンジングな数字を設定しています。皆さんに「大丈夫か」と聞かれるのですが、常に高い目標に向かって頑張っていったほうがいいのではないかと思いますね。

 当面、世界的に厳しい需要環境が続くと見込まれている建設・鉱山機械市場ですが、将来の需要拡大に向けて、成長への種まきとなる活動にしっかり取り組んでいきたいです。

―― 目標達成にあたり、自身の強みをどう生かしますか。

大橋 強みであるかは分かりませんが、13年間の海外経験を生かせればと考えています。私は生産畑出身ですが、コマツアメリカの社長として開発から販売まですべてを管理する機会に恵まれました。最大手の米キャタピラー社の動向を目の当たりにすることができたのも、貴重な経験の1つです。

―― 今年度の業績はいかがですか。厳しい状況でも、日本市場は好調だと聞きます。

大橋 そうですね。今年5月の国内受注高は20年来の高い水準になりました。6月は5月をさらに上回っている状態です。 東日本大震災の復興工事が堅調に推移しています。私も何度か被災地を訪れましたが、宮城県と岩手県はガレキ処理が進み、これから高台移転に取り組むところです。一方で、福島県は手つかずの部分が多く、まだこれからでしょう。また、排ガス規制強化を受けた比較的安価な旧製品への駆け込み需要があり、受注額を押し上げています。

 ただ、来年についてはしばらく動向を見てみないと需要がどう推移するかは分かりません。

―― 海外事業はどうですか。

大橋 北米の調子がいいですね。リーマンショックから復活して、レンタル事業向け以外は堅調ですし、動きは強いとみていいと思います。中南米はそれほど悪くありませんし、中国は今年度の第1四半期において底打ち感が見られます。当社にとって最大市場のインドネシアでは昨年6月あたりから鉱山機械の需要が低迷してきましたが、第2四半期以降はリカバリーできるのではないでしょうか。

 コマツは、世界各国での売り上げ構成のバランスが取れているので、どこかの国で調子が悪くても別の国で良ければトータルで業績を伸ばせるようになっています。販売価格を落とさずに、しっかり成長戦略に取り組んでいけるわけです。

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