マネジメント

欠損金の利用が節税対策のキモ

 「M&Aの交渉時、買収先の社長に『欠損だけの会社で何もないじゃないか』と詰め寄ったところ、『何を言う、うちの資産は欠損だ!』と切り替えされたよ」

 これはある社長さんから聞いた話です。そう、欠損とキャッシュは表裏を成すもの。欠損を使えるかどうかでキャッシュフロー(税引き後の手取り)が違ってきます。ですから、事業再編やM&Aが加速している今日、欠損金の利用が1つの節税対策のキモになります。

心得1 連結納税も欠損金活用で

 持ち株会社づくりの活発化に伴い、連結納税を採用する会社が増えています。

 連結納税を採用する際、「連結納税の適用前に生じた赤字子会社の欠損金を引き継げるか否か」がポイントになります。原則は引き継げません。ですが、例外はあります。

 例えば、連結子会社が「株式移転完全子会社」であり、連結親法人の「事業年度開始日」の「5年前」から「開始日」までの間、「株式移転」にかかわっているとします。

 この場合、事業開始日から「7年以内」に、「子会社の各事業年度において生じた欠損金額」は、連結所得の金額の計算上、繰越控除対象の欠損金として取り扱えます。

「包括否認規定」に要注意!

 「包括否認規定」(法人税法第132条の2)とは、「組織再編成の容認と計算」が、法人税負担を不当に減少させる結果となった場合、その行為または計算を国側が否認できる規定です。

 最近では、ヤフーの事業再編でソフトバンクとヤフーの取引が租税回避行為と見なされ、包括否認規定が適用されました。裁判の一審は、課税庁側の勝訴となりました。

心得2 欠損金活用の実践は慎重に

 実務家の間では原告側(ヤフー側)が性急に事を進め過ぎたとの声があります。

 ですから、連結納税における欠損金活用を実行に移す際には、専門家を交えて慎重にことを進めるのが肝心です。時には、課税庁側のアグリーメントを事前に取っておくとよいでしょう。

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