政治・経済

多数の患者の状況を同時に監視できる「Prefense」

多数の患者の状況を同時に監視できる「Prefense」(「PrefenseTM」は米国のみでの販売となる)

海外市場へ攻勢をかける日本光電工業

 

 今年5月に発表した2017年3月期までの中期経営計画で、海外市場へ攻勢をかける姿勢を鮮明にした日本光電工業。現在約17%の海外売上高比率を17年3月期には28・5%に高める計画だ。さらに長期ビジョンとして、20年3月期には35%の達成を目指している。

 同社の主力製品の1つが生体情報モニター。米国を中心に市場が拡大しており、今後も堅実な成長が見込めるという。鈴木文雄社長は「シェア10%を目指すことでこれから相当な伸びが期待できる」と語る。

 米国ではハイエンド系製品が中心となるが、加えてミドルからローエンドの領域でも存在感を高めている。

 例えば、導入が広がっているのが一般病棟向けに提供している「Prefense」と呼ばれる集中モニタリングシステム。患者一人ひとりに送信機を装着してもらい、血圧や心電図などのパラメーターを取ることで、多数の患者の状態を同時に監視していくものだ。

 病院の品質レベルを向上させるこうしたシステムへの需要は近年増加傾向にあるという。将来的に需要増加が見込める新興国向けには、日本光電では廉価版の供給を増やすことも考えている。

 米国に次ぐ有望市場ととらえる中国では、20年以上前から心電計の製造を行うなど深くかかわってきた。北京や広州などに販売事務所を構えるほか、12年には上海の連結子会社3社を統合し、開発、生産、販売のスピードアップを図った。

 

海外で医療ニーズの高い地域に期待

 

 国内メーカーを育成する中国政府の方針で、医療設備の国産調達が優遇されるといった状況はあるものの、引き続き取り組みを強化していく構えだ。中国では主にローエンド製品を手掛けており、東南アジア諸国への輸出拠点としても位置付ける。

20130917_30_03 この他、新興国における取り組みも強化する方針だ。これまで代理店任せの部分が多かった地域でも積極的に関与を深め、現地ニーズの把握に努めるという。

 その一環として、シンガポールやインドにおける販売機能の強化、ドバイの駐在員事務所の法人化といった施策を実行してきた。さらに12年にはブラジルにも販売会社を設立するなど、グローバル体制の構築を進めている。現地に根付いて市場の声を聴き、さまざまな情報を入手していくのが狙いだ。

「次の展開として、マレーシアやインドネシアにも人を置き、現地の代理店をサポートしながら情報収集していくことを考えている。一方、中近東ではインフラの再構築に伴って大きなビジネスの話が出ている地域もある。政治情勢は不安定だが医療へのニーズが高いので期待したい」と、鈴木社長は意気込む。

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