広告掲載
経営者に愛読される雑誌に記事を掲載しませんか?

角膜上皮シートの展開は欧州から 日本優先へシフト--長谷川幸雄(セルシード)

細胞シートの早期製品化

長谷川幸雄・セルシード社長

長谷川幸雄・セルシード社長

角膜上皮シートの欧州での製品化時期がずれ込む

 

 温度応答性を有する培養器材の表面に増殖させた細胞を、シート状にして回収した細胞シートの製品化を目指すセルシード。最近の事業環境の変化を受けて、同社の戦略は大きく転換しようとしている。

 当初は2013年度中に、欧州で角膜上皮シートの製品化を計画していた。まずはフランスで治験を行い、その結果を基にEMAの販売承認を得る目論見だったが、有効性や安全性の評価のために、さらなる臨床データの提出が求められることになり、製品化の時期がずれ込むことになった。

 そこで、セルシードではこれまでの申請をいったん取り下げて仕切り直すことにした。現在、EU圏内の8カ国で治験の準備を進めており、このうち4カ国で治験開始の許可を得ている。今は治験を継続するために財務基盤の整備に注力しているという。

 もともと欧州での販売承認取得を優先したのは、規制の厳しい日本では治験を開始するだけでも約4年の長い期間が必要であった他社事例を見越してのことだった。しかし、欧州での販売承認も近年では非常に厳しくなっており、実際に認可が下りた例は少ない。その一方で、日本国内での規制緩和の動きを受け、日本での承認申請にも積極的に動き出した。

 長谷川幸雄社長は、「このまま行くと日本での販売承認のほうが早くなる可能性が高い。欧州では引き続き販売承認の取得に取り組むが、日本で体制固めをしてから欧州展開することになるかもしれない。これまで欧州で治験を行ってきた実績を基に日本に入っていくので、認められやすいだろう」と、語る。

細胞シートの早期製品化を目指す

細胞シートの早期製品化を目指す

 長谷川社長は自社の技術に絶対の自信を持つ。

「注射ではなく、細胞シートを張るだけで治療できてしまうのがわれわれの製品の強み。現在、開発中の再生医療製品は効果が見られないケースも多いが、細胞シートを用いれば明らかに高い治療効果が得られることが分かっている。グローバルで戦える製品」と言う。

 将来的には患者本人から幹細胞を取り出す自家移植から、他人の細胞を使う他家移植への展開、さらに細胞培養を手作業ではなく自動化し、本格的な産業として確立させる準備にも取り組んでいる。

 

 

 
経済界 電子雑誌版のご購入はこちら!
雑誌の紙面がそのままタブレットやスマートフォンで読める!
電子雑誌版は毎月25日発売です
Amazon Kindleストア
楽天kobo
honto
MAGASTORE
ebookjapan
 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る