文化・ライフ

往年の名選手・瀬古総監督のあいさつに参加者も喜ぶ

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企業スポーツの未来 新たな取り組みと将来性

 7月18日、少し蒸し暑い夜に15人の市民ランナーが東京・渋谷に集まった。およそスポーツとは縁遠い繁華街で、「第一回DeNAランニング教室」が開催された。主催したのはDeNAランニングクラブ。

 瀬古利彦総監督をはじめ、日本のトップランナーである上野裕一郎選手などと共に、若者で賑わう渋谷の街から代々木公園まで走り、約1時間半汗を流した。

 創設時に発表した、「ランニングを通じた積極的な社会参加」の一環として始めたイベントだが、往年の名選手、瀬古総監督やトップ選手と共に走れ、直接質問できることもあって、参加者も大満足のイベントになった。

 さっそく協力を申し出た企業も出てきている。このイベントを含めてDeNAランニングクラブに協力するティップ・クロスTokyo渋谷の俣野智昭氏は、

「弊社もアスリート支援事業で協力しています。ファッションなど流行の生まれる渋谷の街が、スポーツの発信基地になると面白いですね」と、期待を寄せる。

 渋谷に本社を置くIT企業のディー・エヌ・エー(DeNA)が、名門のエスビー食品陸上部を引き継いだのは、今年4月。

 今、冬の時代といわれる企業スポーツに参入する理由の1つは、企業イメージの向上である。しかし、広報・岡村直哉氏は加えて、こうも語る。

「チームとしては〝企業の部活動〟ではなく、『強化』、『事業』、『社会とのかかわり』においてプロフェッショナルな〝クラブチーム〟として活動していきたいと考えています」

 それは、DeNAがあえて陸上部と名乗らないことにも通じる。企業スポーツの枠にはまらない新たな形を模索しているからだ。将来的には、クラブでスクール事業を行い、一貫した指導環境を提供していく予定だ。

 ユース世代からシニア世代まで年齢のカテゴリーに合わせて、チームをつくることができれば、日本のスポーツ文化も変えていけると意気込む。

 この取り組みが成功すれば、選手のセカンドキャリアに対しても1つの解決策を提示できる。スクール経由でプロクラブのコーチや競技普及の仕事なども生まれ、今回のイベントのように、地域と組むことによって新たなビジネスチャンスも広がるはず。

 そのためには事業についても、早急にクラブ自体で利益を出していかねばならないだろう。

 かつて、ソフトバンクや楽天がプロ野球に参入することで、事業領域をインターネット上に広げた。今回「モバゲー」などオンライン上のサービス運営に強く、幅広い顧客層を持つDeNAが、横浜DeNAベイスターズに続いてスポーツ界に参入したことで、本業のIT技術を活用した新たなビジネスが誕生することを期待される。

 渋谷を舞台に、都心から発信される新たな息吹が、スポーツの可能性を広げる気がしてならない。

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