マネジメント

人材育成のコツ1.具体的なプロセスに注目する

 「やってみせ、言って聞かせ、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ」

 有名な山本五十六(やまもといそろく)連合艦隊司令長官の言葉です。人材育成やマネジメントの現場でも「教える際の心構え」として引用される名言ですが、実はこの言葉には続きがあります。

 「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」

 「やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

 人を動かすこと(褒めること)は、人を育てる前の段階ということになります。それほどに、「褒めること」は人を育てる上で基本中の基本なのです。

 これには少しばかりコツが必要です。今回は、社員のさらなる成長のためにも、効果的な褒め方を紹介したいと思います。

 例えば、子どもがブロックをやっているときには、どのように遊んでいるかに注目します。「いろんな色を使うのが好きなんだね」「色と色を組み合わせて作るんだね」など、遊んでいる様子を具体的に褒めると、言われた子どもは、デザインに凝ったものを作るようになっていきます。

 また、「高いものを作るのが好きなんだね」と声を掛けた子どもは、翌日にはさらに高くしようと挑戦します。明らかに自分自身の興味関心を意識した行動をとるようになり、自分で工夫することに喜びを感じ、創意工夫のできる子どもに育ちます。

 逆に、「高いね」「すごいね」だけだと具体的ではないので、前回よりも発展、工夫を見いだせず、反映性が見られなくなります。ポイントは、具体的なプロセスに着目する、感想・気持ちを添えて伝える心持ちの部分(スタンス)を重要視する、の3つです。

人材育成のコツ2.男性と女性では響くポイントが違う

 この、効果的な褒め方は、大人にも応用できます。さらに上級者は、男女別のコツも知っておくと便利でしょう。前号の叱り方同様、子育てにおける男女の褒め方の違いが応用できます。

 男の子にとって褒められる(認められる)ということは、プライドが保たれることとつながっています。女の子は何事においてもシビアな面がありますが、男の子は大げさに盛り上げると、素直に喜びを受け止めることができます。褒められて気持ちは高ぶるのですが、一方で、「上手ね!」と褒められたことも、時間がたつと何を褒められたのか忘れてしまうので、具体的に、言葉にして褒めることで落とし込むことができます。

 男の子は思いを言葉にすることが難しいため、「丁寧に作ることができてよかったね。うれしかったんだね」といった具合に、感情を代弁し、具体的に褒めることも大切です。

 一方、女の子の場合、「本人が一番よく分かっている」という前提で対応すると、効果的に伝わりやすくなります。周りの盛り上げで必ず喜ぶとは限らないのが女の子ですので、あまり盛り上げず、褒めるポイントを丁寧に言葉にしてあげることが大切です。漠然と褒めるのではなく、「素敵な色づかいで絵を描けるようになったね」といった具合です。女の子は男の子よりも言語理解が早いのですが、言葉を丁寧に話してあげないと、穿った見方も出てきてしまいます。女の子の表情には、大人の声掛けの満足度が現れますので、返答をちゃんと聞き、自分のことを話したがる女の子の気持ちを慮ってあげることが大切です。

 私は子育ての専門家として、周囲の大人が「結果」ばかりを褒めることで、子どもたちの伸びしろを摘み取ってしまうケースをたくさん見てきました。人育ては成長を期待しながらも、「結果」だけではなくそのプロセスを見てあげることの必要性を感じます。今回の「具体的に褒める」ことは人材育成においても、子育てにおいても、大切な原理原則ではないでしょうか。

人材育成のコツ3.「具体的に」褒めると相手の伸びしろは広がる

「男女別3つの褒めポイント」

【男性/男の子】

1.少し大げさに盛り上げる

2.「すごい」「上手」以外の言葉で褒める

3.具体的なことを言葉にする

【女性/女の子】

1.あまり盛り上げない

2.丁寧に言葉にする

3.相手の表情を見て感じていることを聞く

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