政治・経済

 O2Oで鍵となるのが、O2Oの起点であるオンラインのウェブサイトだ。O2Oの拡大でサイト作りを取り巻く環境、サイト作りそのものはどう変わっていくのか。Eコマースサイト構築を手掛けるecbeing社長の林雅也氏にO2Oの影響について話を聞いた。

林雅也(ecbeing社長)

林雅也(ecbeing社長)

タブレットとスマホの導入で販売形態が変化

―― O2Oの盛り上がりはいかがでしょうか。

 当社のお客さまでも最近になってEコマースとリアル店舗の連動が進んできています。EコマースはEコマースで好調ですが、店舗側にも良い影響を及ぼし始めています。

 例えば、分かりやすいのは、O2Oで一番元気が良いアパレルです。アパレルでは、お客さまの店舗への来店頻度は意外と下がっています。しかし、店舗に来ると、そのまま目的買いして買っていくそうです。何が起きているかというと、お客さまが店舗に来る前に既にネットで下調べしているということなのです。ネットとリアル店舗の両方を使っているお客さまの年間の購入額を調べていくと、トータルでは上がっています。

 このため、ネットはリアル店舗を補助してさらに上げるものだと位置付けている会社もあり、この1年くらいは、O2Oの取り組みを各社かなり必死でやっています。

―― 特にO2Oで変わってきた動きはありますか。

 スマートフォンやタブレットの登場で面白い展開になってきています。例えば、タブレットの活用ということで言うと、当社が赤ちゃん本舗と共同でタブレット店頭受注システムを開発し、赤ちゃん本舗の店舗に導入しました。最初に導入したセレオ八王子店は比較的広い店舗ですが、子ども服やベビー用品にしても全品を店におけるわけではないです。ところがEコマースサイトに直結したタブレットを使うと、タブレットでアクセスする商品データベースには大量に商品があるわけです。店頭にないものは、そこから選んで配送することもできます。

 以前ならこういうシステムは大きなパソコンを設置しなければならず、店頭にもそんなスペースはありませんでした。タブレットなら店頭のレジの横に置き、必要な時に店員が操作すれば、店頭にない商品でもすぐ売り上げが立つことになります。究極的には、省スペースの店舗でタブレットがあれば成立します。そうなると出店戦略も変わってくると思います。

 スマホについては、例えば、アパレル系で当社のお客さまであるクレッジは、109系の10代後半~20代前半の女性をターゲットにしています。彼女たちはスマホを完全に使いこなしている層です。そうなると、Eコマースサイトを作るのも、スマホ向けから作ることになります。

 スマホ以前の携帯電話の時代では、情報量が限られていたので、携帯のEコマースやネットショッピングは使われ方が限定的でした。私もサイトを作っていて痛感するのですが、スマホは工夫すると画面がうまく使えて、限られた空間の中にかなりの情報量が入ります。

―― スマホではサイトの絵作りが違うのですか。

 全く違いますね。例えば、セール情報の出し方も画面の上にポップアップで被せています。PCのサイトでやると嫌味になりますが、スマホ用のサイトではあまり嫌味になりません。さらに画面をスライドさせる技術を使うと、PCと同じ情報量を入れることができます。こうなると店に行く前にスマホを見れば、今どんな商品があるかが分かります。今はスマホで本当にさまざまなことができます。

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