政治・経済

ロボットスーツ「HAL」

サイバーダインのロボットスーツ「HAL」

ロボット産業に脚光

 経済産業省が開発を支援するロボット産業が脚光を浴びている。

 安倍晋三政権が6月25日に閣議決定した新成長戦略は、ロボットを「新たな産業革命」と位置付け、人手不足などの課題解決の切り札として期待。2020年にロボット製造の国内市場規模を現在の2倍の1兆2千億円まで拡大する目標を掲げるが、資金集めに苦労するベンチャー企業が外資傘下に入るなど前途は多難だ。

 「現場の人手不足や過重労働からの開放の観点から、ロボット技術をさらに活用していくことも重要だ」

 茂木敏充経産相は6月6日の閣議後会見でこう指摘した。

 新成長戦略は、日本の技術力を発揮するため今夏に「ロボット革命実現会議」を設立し、5カ年の普及計画を作成すると明記。経産省が支援してきた、着ると力が増幅される「パワーアシストスーツ」の介護現場での利用や、無人でも農作業ができるトラクターなどの開発が想定されている。

ロボット産業支援で試される経産省の力

 20年には東京五輪に併せて、世界各国が技術を競う「ロボットオリンピック(仮称)」を開くことも盛り込み、ものづくり大国・日本復活への足がかりにする狙いだ。

 ただ、世界的に高い評価を受ける日本のロボット産業には、海外からも熱視線が注がれている。東大発のベンチャー「シャフト」は昨年、米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)主催の災害救助ロボットコンテストに出場し、トップの得点を獲得。その技術力に注目した米IT大手グーグルが昨年12月、同社を買収した。

 ベンチャー企業は資金集めに苦労し、「国内の企業やファンドの出資を募るだけでは事業を続けられない」(大学関係者)ためだ。

 経産省は14年度に続き、来年度予算の概算要求でも、ロボット開発企業への補助の拡充などを目指す。

 新成長戦略を追い風に十分な予算を確保し、国産技術の開発に振り向けられるかどうか。産業振興を担う経産省の底力が試されることになりそうだ。

 
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