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法人税率引き下げの下げ幅と代替財源で内閣の重要閣僚に溝--内閣府

霞が関番記者レポート

甘利明

甘利明経済再生担当相

 政府は現在35%程度の法人税の実効税率について来年度から数年で20%台への引き下げを決めたが、税率の下げ幅や代替財源をめぐって甘利明経済再生担当相と麻生太郎財務相の間に意見の食い違いが生じている。アベノミクスの成長戦略のかじ取りを担う両氏の主張の隔たりが埋まらなければ、減税の具体策を詰める年末の税制改正協議に向け禍根を残すことになる。

 法人税減税をめぐり両氏の主張は大きくぶつかる。過去に経済産業相の経験がある甘利氏は、同省が主張する減税が経済を押し上げ、結果的に税収も増えるという立場を取る。一方、財政規律を重視する財務省の意向を踏まえ、麻生氏は財政健全化を考慮した減税が不可欠と慎重な立場で、スタンスは大きく異なる。

 特に主張が違うのが下げ幅をめぐる認識だ。共にドイツ並みの29%程度を目指す姿勢は変わらないが、税率下げの出発点をめぐる意見が全く違う。甘利氏は、企業が集積する東京都の税率(35・64%)を基準に下げるべきと主張。「東京はビジネス拠点。そこを外した税率が30%を切るという説明では、市場への明確なメッセージにならない」と話した。

 これに対し、麻生氏は、東京は独自に税率を加算しており、国と地方の標準税率(34・62%)を起点にすべきと譲らない。「東京都が独自に(税率を上乗せして)行っている増税分の取り扱いは、都が自身で検討する」とも述べた。甘利氏案では20%台の実現には6%程度の下げ、麻生氏案では5%程度の下げと1%の差がある。

麻生太郎

麻生太郎財務相

 両氏の意見がかみ合わないのは税率1%の下げで約5千億円の減収となる税収減の穴埋めをどうするかの考え方にも違いがあるため。甘利氏はアベノミクスの果実である税収増の一部を代替財源に充てるべきと主張。一方、麻生氏は財政再建を念頭に、減税分はその穴を埋める代替財源が不可欠との立場を崩さない。法人減税に関しては、政府が6月決定した経済財政運営の指針「骨太方針」に、「数年間で20%台まで引き下げることを目指す」と明記した。ただ、具体的に代替財源に何を充てるかは、年末の税制改正大綱の議論まで先送りされる。麻生氏と甘利氏の意見の対立が続けば、年末の議論にも「一波乱」がありそうだ。

 

 

 

 

 
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