文化・ライフ

 最近、スマートフォンなどの小型電子機器を使う機会が増えましたが、使い過ぎに注意しないと、人間性まで「小型」になってしまうようです。米国ハーバード大学の研究グループは、スマートフォンからデスクトップパソコンまで、大きさの異なる電子機器を人に使わせ、それぞれの場合に脳機能がどう変化するかを調べました。その結果、使う電子機器が小さいと、性格が消極的になり、他人の意見に流されやすくなることを突きとめたのです。

 原因は姿勢です。小さな端末を使い続けていると、どうしても背中が丸まり、縮こまった姿勢になりがちです。これが、自信がないときの姿勢に一致しているため、脳は自信を持てない状態に陥っているのだとカン違いしてしまうのです。実際、小型端末であっても、背筋を伸ばし、胸を張った状態で使った場合は消極的な性格に変わることはありませんでした。

 ほかにも、姿勢と性格に関する研究結果は数多く発表されています。例えば、腕を組むと自信がなくなる一方、両手を広げたポーズをとると自信が深まります。また、座ったときに両足を閉じると消極的になり、股を広げた姿勢だと積極的な性格に変わります。さらに、下を向くと後ろ向きの発想に、上を向くと前向きな発想になることも実験で確かめられています。

 人体は命の危険を感じると、心臓のある胸の部分や骨で守られていない腹部を無意識に守ろうとします。自信がないと姿勢が悪くなるのは、このためです。反対に弱点である胸や腹を他人にさらす姿勢をとると、脳は危険な状況ではないと判断し、自信が生じるのです。ただし、背筋を伸ばすことに落とし穴があることも、同じハーバード大学の研究で明らかになりました。胸を張ると自信が深まるのはいいのですが、同時に独断的になり、他人の忠告に耳を傾けなくなるようなのです。ですから、部下に意見を求めるときは、ふんぞり返った姿勢では命取りになりかねません。ビジネスの世界では、リーダーの自信が競争に打ち勝つ大胆な決断・行動につながりますが、時には謙虚さも必要です。状況に合わせて姿勢を変え、脳機能の状態を巧みにコントロールしてください。

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