政治・経済

森 正文(一休社長)

森 正文(一休社長)

業績絶好調の一休

 国内の宿泊予約サイトと言えば、「楽天トラベル」(楽天トラベル)、「じゃらんnet」(リクルートライフスタイル)、「一休.com」(一休)の3大サイトが中心だった。海外で急成長した「エクスペディア」(エクスペディア・ジャパン)が今年に入って攻勢を強めているが、一休の2012年度(12年4月~13年3月)決算は絶好調。純利益は前期比109・4%増の10億1400万円で過去最高益。営業利益は同58・8%増の16億2600万円、経常利益は同57・5%増の17億700万円だった。

「09年度から断行したシステム大改修、テレビCM、新サイト開設などの先行投資により、連続減益となっていましたが、10年度を底に反転。過去の投資を生かして増益基調にあります。このトレンドは今後も続くと思います」

 森社長はそう言い切る。収益の柱である一休.comと一休.comビジネスが共に好調で、「旅館の伸びがホテルの伸びを上回っている。宿泊のネット販売にはまだ伸びしろがある」という。

箱根・翠松園

箱根・翠松園

森正文・一休社長が大切にする「御用聞き」の心

 森氏が高級ホテルの予約を仲介する一休を立ち上げたのは01年。創業から13年で、会員数は300万人を超えた。全国のホテルや旅館を飛び回り、悩みや要望を聞いて、事業のヒントを得てきた。

 団体客のキャンセルなどで空いた部屋を格安な料金で提供するサービス、ホテルのレストランの稼働率を上げるための高級レストラン予約代行など、サービスの多くは施設の悩みを解消するために生まれたもの。いわば「御用聞き」の心を大切にしている。

 サービス産業生産性協議会が発表した「JCSI」(日本版顧客満足度指数)によると、旅行部門では一休.comが11、12年と2年連続満足度1位に選ばれている。一休.comの運営するウェブマガジン「Viaggio(ビアッジオ・旅に出ること)」には、昨年リオープンし話題となった「東京ステーションホテル」や「パレスホテル東京」、伝統あるリゾートホテルの「志摩観光ホテル」、また一休.comだけで予約できる「Tobeオーベルージュリゾート」など、一度は泊まってみたい日本の高級施設がずらりと並ぶ。

中伊豆・雲風々

中伊豆・雲風々

「高級旅館には日本の最高のおもてなしが凝縮されていると思います。日本の食事は、今やフレンチにしてもイタリアン、中華にしても世界最高レベル。時代が変わっても、年代を問わず国籍も問わず、安らぎと居心地の良さを与えてくれる」

 日本の宿の魅力を発信し続ける一休の取り組みは続く。

 

 

雑誌「経済界」定期購読のご案内はこちら

経済界電子版トップへ戻る

関連記事

好評連載

深読み経済ニュース

一覧へ
一般社団法人かぎろい出版マーケティング代表 西浦孝次氏

[連載] 深読み経済ニュース解説

2015年の経済見通し

[連載] 深読み経済ニュース解説

再デフレ化に突入し始めた日本経済

[連載] 深読み経済ニュース解説

消費税率引き上げ見送りの評価と影響

[連載] 深読み経済ニュース解説

安倍政権が解散総選挙を急ぐ理由

実録! 関西の勇士たち

一覧へ

水辺に都市が栄える理由と開発の事例を探る

[特集 新しい街は懐かしい]

水辺に都市が栄える理由と開発の事例を探る

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第20回)

稀有のバンカー、大和銀行・寺尾威夫とは

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第17回)

三和銀行の法皇・渡辺忠雄の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第14回)

住友の天皇・堀田庄三の人生

[連載] 実録! 関西の勇士たち(第11回)

商売の神様2人の友情 江崎利一と松下幸之助

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

総合事業プロデューサーとして顧客と共に成長する―中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

広告やマーケティング、ブランディングを事業プロデュースという大きな枠で捉え、事業が成功するまで顧客と並走する姿勢が支持されているグランドビジョン。経営者の思いを形にしていく力で、単なる広告代理店とは一線を画している。 中尾賢一郎・グランドビジョン社長プロフィール &nb…

中尾賢一郎(グランドビジョン社長)

人材戦略を経営の核に成長する駐車場ビジネスのプロ集団―清家政彦(セイワパーク社長)

「PCのかかりつけ医」として100年企業への基盤構築を進める―黒木英隆(メディエイター社長)

新社長登場

一覧へ

森島寛晃・セレッソ大阪社長が目指すクラブ経営とは

前身のヤンマーディーゼルサッカー部を経て1993年に創設されたセレッソ大阪。その25周年にあたる2018年12月に社長に就任した森島寛晃氏は、ヤンマー時代も含めて通算28年間セレッソ一筋、「ミスターセレッソ」の愛称を持つ。今も多くのファンに愛される新社長が目指すクラブ経営とは。聞き手=島本哲平 Photo=藤…

カリスマ創業者の後任として描く「新しいマネックス証券像」― マネックス証券社長 清明祐子

「若者需要の開拓でビール市場を盛り上げていく」塩澤賢一(アサヒビール社長)

イノベーターズ

一覧へ

20歳で探検家グランドスラム達成した南谷真鈴さんの素顔

自らの手で未来をつかみ取る革新者たちは、自分の可能性をどう開花させてきたのか。今回インタビューしたのは、学生でありながら自力で資金を集め、世界最年少で探検家グランドスラムを制した南谷真鈴さんだ。文=唐島明子 Photo=山田朋和(『経済界』2020年1月号より転載)南谷真鈴さんプロフィール&nbs…

南谷真鈴

シリコンバレーへの挑戦が生んだ「起業家と投資家が待ち望んだサービス」― 戸村光・ハックジャパンCEO

「測量美術」が起こす道路工事のイノベーション―草木茂雄・エムアールサポート社長

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸 …

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2020年1月号
[特集] 新しい街は懐かしい
  • ・「街の記憶」で未来をリノベーション
  • ・日本橋が「空を取り戻す」水辺と路地がつながる街へ
  • ・水辺はエンタメの宝庫だ 大阪が目指す観光客1300万人
  • ・街の誇りを取り戻せ 名古屋・堀川復活プロジェクト
  • ・なぜ水辺に都市が栄えるのか
  • ・2020以降は海と川がさらに面白くなる
  • ・「住む」と「働く」両方できるが求められている(たまプラーザ)
  • ・「土徳」が育む一流の田舎(南砺市)
  • ・音楽ファンが集う街づくり
[Special Interview]

 辻 慎吾(森ビル社長)

 東京が世界で勝ち抜くために必要なこと

[NEWS REPORT]

◆飛びたくても飛べないスペースジェットの未来

◆エンタメが街を彩る 地方創生に挑むポニーキャニオン

◆問題噴出のコンビニをドラッグストアが抜き去る日

◆始まった自動車世界再編 日本メーカーはどう動く?

[特集2]

 経済界福岡支局開設35周年記念企画

 拓く!九州 財界トップが語る2030年のかたち

ページ上部へ戻る