政治・経済

 自民党は1月15日、「観光立国調査会」の設置を決め、会長に第1次安倍内閣で経済産業副大臣を務めた山本幸三衆院議員が就任した。調査会は4月に、タイ、マレーシア、インドネシアに対する査証(ビザ)免除などを盛り込んだ「観光立国の実現による日本経済再生に向けた提言」案をまとめた。山本氏は「アベノミクス」の仕掛け人でもある。

山本幸三(衆議院議員 観光立国調査会会長)

山本幸三(衆議院議員 観光立国調査会会長)

―― 今年中に訪日外国人旅行者数を1千万人とし、来年以降に2千万人達成を目指し、本格的な観光立国の実現に向けて、目に見えるブレイクスルーを果たす時、と強調しています。

山本 提言案では、入国体制の整備として、ビザ要件を韓国など競合国並みに緩和することを求めています。タイ、マレーシア、インドネシアの東南アジア3カ国のビザ免除に加え、ベトナム、フィリピン、インドなどアジア諸国とロシアに対しては数次ビザを発給。中国人個人観光客については東北3県(岩手、宮城、福島)の数次ビザを発給しているが、訪問地要件を撤廃するとした。外国人旅行者の満足度アップについては、外国人旅行者の訪日目的の1つがショッピングであることから、「ショッピングツーリズム」の振興を進め、免税制度の改革を求めています。

―― その中身は?

山本 訪日客に人気の高い化粧品、医薬品、地域特産の飲食料品などへの対象品目の拡大、地域・地方の中小小売店を含めた免税店舗数の大幅拡充、免税手続きの簡素化、還付方法の多様化です。

―― 交通や通信のインフラ整備にも言及していますね。

山本 公共交通機関や道路の案内表示、美術館・博物館、公演、観光地域における外国語表記について、外国人目線に立った整備・改善を促進する。公共交通機関による移動がより快適かつ円滑になるよう、ICカードの利用拡大や外国人向け割引などを充実する。宿泊施設における無料公衆無線LAN(Wi―Fi環境)の整備や外国語放送の導入、観光予算の大幅増額、新たに創設されるクールジャパン推進機構を観光分野でも活用する。

 またオールジャパン体制による訪日促進、被災地域の観光振興による復興も盛り込んでいます。

―― 今、円安で外国人観光客が街に多く見られます。

山本 バックパッカーの若者など、素泊まりで安く泊まりたい人のために、廃校になった小中学校に2段ベッドを入れてユースホステルをチェーン化すれば、新たな需要が生まれるのでは。箱根の廃校になった中学校で取り組んでいるところがあり、注目しています。

―― 旧大蔵省出身ですが、観光との接点は。

山本 役人時代の1973年に米コーネル大学の経営大学院に留学しました。同大のホテル経営大学院を出たホテル・レストラン経営者も少なくありません。大臣官房企画官当時、政府が南太平洋島しょ国とのネットワーク強化を打ち出し、現状を探るため、現地を視察したことがあります。当時のメンバーには井手憲文現観光庁長官もいました。調査会の運営でも非常にやりやすい環境にあります。

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