埼玉県坂戸市で城西歯科大学として建学した明海大学。現在は千葉県浦安市に設置した文科系の4学部を加えた総合大学となっている。しばらく苦戦を強いられた不動産学部などは、景気回復とともに人気が出始めている。今後の運営方針を聞いた。 聞き手=本誌編集委員・清水克久 写真=佐藤元樹

 

歯学の単科大学から文理総合大学へ転換

安井利一(やすい・としかず) 1951年生まれ。77年城西歯科大学(現明海大学)卒業。81年同大学院歯学研究科博士課程修了。97年教授。2003年歯学部長、06年副学長を経て08年に学長に就任。

安井利一(やすい・としかず)
1951年生まれ。77年城西歯科大学(現明海大学)卒業。81年同大学院歯学研究科博士課程修了。97年教授。2003年歯学部長、06年副学長を経て08年に学長に就任。

-- まず御校の概要をお教えください。

安井 1970年に城西歯科大学として創立されました。キャンパスは埼玉県坂戸市に置き、現在も歯学部は同所にあります。その後、88年に千葉県浦安市に新キャンパスを開設し、外国語学部と経済学部を創設し、明海大学と改称しました。92年に日本では初の不動産学部を、2005年には、これもまた日本初のホスピタリティ・ツーリズム学部を設置しました。

 「社会性・創造性・合理性を身につけ、広く国際未来社会で活躍し得る有為な人材の育成をめざす」。この建学の精神に基づき、歯学部を発祥として、時代の要請に合わせた学部を創設しながら大学の発展を目指しています。

-- 不動産学部を設置した狙いと現状はどうですか。

安井 不動産を学問として総合的にとらえ、学部として持っているのは日本では本学だけです。不動産という言葉には、バブル期の負のイメージもありますが、これは不動産に対する理解や教育が不十分だった面があると考えたのです。不動産に関連する学問は、法律、建築・建設、税務・会計、経済、環境と多岐にわたり、それぞれが個々に不動産をとらえています。それを不動産中心に据えて、各学問を学べるようにしたのです。今、不動産学部は不動産関連業種への就職率がとても良く、企業から直接、求人の問い合わせが来るほどです。不動産学部では、2年次までに宅地建物取引主任者(宅建)の資格を取らせるカリキュラムを編成しており、不動産業界が必要とする人材の育成に努めています。学生も宅建やファイナンシャルプランナーなどの資格取得を通して、自分の将来像を具体的に描くことができるようになります。

-- ホスピタリティ・ツーリズム学部の現状は。

安井 いわゆる観光系の学部なのですが、私立の同系統の学部の中では格段に就職率が高いと自負しています。航空業界やホテルなどへの就職が好調です。ホテルにはインターンシップで学生を派遣すると、その場で「卒業したらおいで」と声をかけられることも多いようです。現在、各学年に約200人の学生がいますが、2年進級時にTOEIC500点、3年進級時に600点を取得するように指導しています。ただし専門学校ではないので、学問として観光をとらえること、そしてテクニックや知識にとどまらず、人間力を育成することも重視しています。学問としてのバックボーンを持って、実践で役立つ力を育成する。学生が自己実現、自分の夢を実現することができるように、と思っています。

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