ふじさか・ともゆき ──1943年生まれ。広島県出身。66年東京理科大学理学部卒業。高校教師を経て70年シンコー電器入社。95年トレックス・セミコンダクター取締役就任。99年専務取締役を経て2002年代表取締役社長就任。14年4月ジャスダック市場に上場。

 小型、低消費電力に特化したアナログ電源ICのプロ集団を率いる

今年4月、ジャスダック市場に上場。社員の士気も大いに上がっているという

今年4月、ジャスダック市場に上場。社員の士気も大いに上がっているという

  スマートフォンやデジカメといった身近なモバイル機器から、カーナビ、ETCなどの車載アイテム、産業機器まで、さまざまなデバイスの心臓部を担うアナログ電源IC。この小さな半導体の開発・販売を手掛ける国内唯一の専業メーカーが、トレックス・セミコンダクターだ。同社の藤阪知之社長は「ポータブルカセットプレーヤー用として開発がスタートしたことから、限られたスペースで少しでも電池が長持ちするように、小型化と低消費電力化の2つに注力してきました。この分野では世界トップクラスだと自負しています」と自信を見せる。

 そんな同社の電源ICは、ポケベル、携帯電話、デジカメなどモバイル機器の普及に伴い一気に需要が拡大した。しかし、アジア勢との価格競争が激化して単価が下落。厳しい状況に直面した藤阪氏は、コモディティー化したコンシューマー製品に見切りをつけ、付加価値の高い車載、産機市場にシフトする。

 「これまで車載、産機の分野は欧米メーカーの独壇場でしたが、技術に詳しい営業マンによる回路設計まで踏み込んだ提案や、日系メーカーならではのきめ細かなサービスを武器に、徐々に販路を拡大しています」

本社オフィスには製品試作設備も備えている

本社オフィスには製品試作設備も備えている

2009年には、ファブレスメーカーながら独自の超小型化パッケージ技術「USP(Ultra Small Package)」に特化した生産拠点をベトナムに開設、製品の差別化を図っている。

 コンシューマー製品と異なり、爆発的なヒット商品が生まれにくい車載、産機市場では急激な需要増が見込めない分、利益率の向上が課題となる。

 「前期でようやく15%を超えましたが、競合する欧米のトップメーカーに比べるとまだまだです。まずは利益率20%の達成が1つの目標ですね」

 話題のウェアラブル端末にも、小型・低消費電力に特化した同社の電源ICは欠かせない。今後も、幅広い分野でさらなる販売増が見込めそうだ。

 

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