なりた・かずゆき ──1953年生まれ。76年北海道産業短期大学建築学科(現・道都大学)卒業。同年東日本ハウス入社。90年函館支店長。93年取締役。2001年常務取締役を経て02年4月に代表取締役社長に就任

なりた・かずゆき ──1953年生まれ。76年北海道産業短期大学建築学科(現・道都大学)卒業。同年東日本ハウス入社。90年函館支店長。93年取締役。2001年常務取締役を経て02年4月に代表取締役社長に就任

 1969年創業の東日本ハウスが4月8日、東証一部に上場した。原動力は社長在任12年目を迎えた成田和幸氏。就任当初はバブル崩壊で業績が低迷していた最悪期だった。そこから不採算部門を整理するなどのテコ入れを行い、今日では主力の木造注文住宅を年間1500棟受注するまでに回復し、前期(2013年10月期)は過去最高の純利益を達成した。

 「債務超過寸前からようやくここまで来ました。東証1部になって急に会社が変わるわけではありませんが、世間の見方は違います。それは信用です」

 同社の企業理念には「社会に貢献」「報恩感謝」「物心両面の幸福を追求する」などの文言が並ぶ。企業である以上、営利を求めるのは当たり前だが、「商売の基本は“いいものを安く”です。つまり丈夫で長持ちの100年住宅が目標です」。

 建築素材を「檜」にこだわっている同社の木造住宅は日本古来の構造とデザインを取り入れて耐震性と耐久性、断熱性で定評がある。また60年の長期保証制度もあるが、これは施工に絶対の自信を持っているからだ。

 

1988年に株式店頭公開。2013年11月に東証2部に市場変更し、それから半年足らずの14年4月に東証1部に上場を果たし、大きな“信用力”を得る

1988年に株式店頭公開。2013年11月に東証2部に市場変更し、それから半年足らずの14年4月に東証1部に上場を果たし、大きな“信用力”を得る

「うちは下請けではなく、大工を直接雇用しています。その職人たちが責任を持って家づくりができる体制にあるのです」

 

住宅産業はクレーム産業とも呼ばれるが、同社はほとんどない。なぜなら施工後、定期的に顧客を訪問して点検する制度があるので、コミュニケーションがとれているからだ。24時間体制のコールセンターも外注ではなく自社の社員が行う。

 営業の叩き上げの成田社長は歴代トップの販売戸数記録を持っている。「営業のコツなんてありませんよ。9割以上が紹介案件ですからね」。

 東日本大震災を契機に、東北発祥の会社として何ができるかを考えた末に出した答えは「エネルギーを自給自足できる家づくりのために、ソーラー発電システムを標準装備することです」。同社の基軸には常に社会貢献の理念が流れている。

 

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地ビールブームの草分けでグループ会社が製造している「銀河高原ビール」。独特の風味でファンは多い

「うちは創業時から『学歴不問』『実力主義』の精神で来ました。僕だって誰も知らない北海道の短大出身ですが社長になれました(笑)。そんな非エリート集団でも頑張れば立派な会社をつくれるんだということを証明したいですね」

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