米国で誕生した世界最大の不動産チェーンと伊藤忠商事が提携し、1983年に産声を上げたセンチュリー21。世界的ブランド力を背景に拠点網を拡大し、全国に858の加盟店を抱える一大不動産チェーンに成長した。聞き手=本誌編集委員/清水克久 写真=佐藤元樹

世界トップのブランド力と経営サポートが強み

猪熊茂男(いのくま・しげお) 1973年慶応義塾大学工学部卒業、同年伊藤忠商事入社。2002年建設・不動産部門長代行。06年審議役。09年伊藤忠アーバンコミュニティ社長。14年6月センチュリー21・ジャパン社長就任。

猪熊茂男(いのくま・しげお)
1973年慶応義塾大学工学部卒業、同年伊藤忠商事入社。2002年建設・不動産部門長代行。06年審議役。09年伊藤忠アーバンコミュニティ社長。14年6月センチュリー21・ジャパン社長就任。

-- 中小不動産会社のチェーンを形成しておりますが、具体的にはどんな業態ですか。

猪熊 当社は不動産業に区分されていますが、会社の実態はセンチェリー21・リアルエステートLCC(国際本部)とフランチャイズ契約を締結しているようにフランチャイズビジネスなのです。その日本本部として、フランチャイズ契約している全国の加盟店各社から加盟金、サービスフィーを頂いております。ゆえに当社が加盟する団体は不動産業の団体ではなく、フランチャイズ企業の団体です。加盟店さんは不動産業が本業ですが、当社は加盟店の募集、ブランドの向上、教育研修のサポート等が主な業務です。

 加盟店さんにも大きく3つの分野があります。まず不動産売買の仲介を主とする加盟店。次に賃貸住宅管理および仲介を主業務とする加盟店。そして不動産分譲を主業務とする加盟店です。すべての加盟店は「独立・自営」で、業務もそれぞれですし、地域差、会社の体質、社長の経営方針も各社各様です。それぞれ性格が異なる加盟店さんの業績向上をサポートするのが最も大切な業務だと思っています。

-- 住宅産業は少子高齢化の影響で厳しいのでは。

猪熊 少子高齢化や、あるいは直近では消費税増税前の駆け込み需要の反動とか、懸念材料はいくつもありますが、加盟店さん同士が集まり、いかに克服するかに知恵を絞っています。当社も本部としてお手伝いすることで、付加価値を高め、業界で生き残れるようグループ力の結集を図りたいと考えています。

-- 地域でいうと、人口が増加している首都圏が活況を呈しているのでしょうか。

猪熊 首都圏はおっしゃる通り底固く比較的活況です。ただ、一概に地方が駄目という話でもありません。前年比90%になった、あるいは110%だという話はありますが、全体的に堅調だと言ってよいと思います。

-- 現在の加盟店の数と拡大目標はどうですか。

猪熊 現在は858社ですが、私は1千社を目指すと言っています。全国に12万社以上ある不動産会社の中の1千社ですので決して多いとは言えませんが、実はこの数は当社にとって大きな意味があると考えています。単純に150社増えて1千社になるという足し算ではなく、1千社になることで見える景色が変わってくると思うのです。数があるからこそ、できることもあります。

 一例ですが、当社は不動産のフランチャイズチェーンとしてテレビCMも積極的に展開しています。これも数があるからできることです。また初めての試みですが、30周年を記念して、女子ゴルフ大会(第1回センチュリー21レディスゴルフトーナメント/静岡県・伊豆大仁CC・7月25〜27日)を開催しました。当社の知名度、ブランド力をさらに向上させ、加盟各社のメリットとなるべく行いましたが、そういったことができるのも加盟店さんの数があればこそなのです。

すべての活動は、加盟店の業績向上のためにある

すべての加盟店は「独立・自営」で経営されている

すべての加盟店は「独立・自営」で経営されている

-- 現在は地方への展開も積極的と聞いています。

猪熊 当初は首都圏から始め、いわゆる3大都市圏、そして九州へと展開していきました。今、地方としては一応、全国を網羅しているのですが、東北はまだ宮城と山形だけ、四国も4県のうち2県しか展開していないなど、空白県があります。ただ、そういった空白地帯に1社だけ加盟店を増やしてもあまり効率的ではありません。特定の地域に数を集中させることによって得られる効果が大きいので、その点を勘案しつつ、エリアを広げていきたいと思っています。

-- 加盟店への支援が重要ですが、御社の強みは。

猪熊 加盟店へのサポートとしては4つの軸があります。まず、加盟店さんの経営力強化のサポートです。本部が指導をするのではなく、加盟店さん同士の交流を促進し、経営の健全化、成長を促しています。交流することで、各社間で助け合う仲間意識が強くなっています。

 次にIT関連ですが、加盟店さんの集客増、顧客管理に役立つためのシステム構築に力を注いています。

 3番目は教育・研修です。新人向けのスタートアップ研修から、経営層・管理職向けのマネジメントアカデミーまで、レイヤーを分けて、網羅的な研修プログラムを用意しています。

 最後は広告宣伝活動によるバックアップで、ナショナルブランドと対等に戦えるよう地域の加盟店さんを支援しています。当社は直営店を持っていません。それだけ、加盟店さんに対して全精力を注ぐことができます。フランチャイズビジネスに特化していることが一番の特徴であり、強みだと思っています。

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