首都圏や大阪、福岡で不動産賃貸ビジネスを展開。個人向けに加えて、法人事業を強化し、企業の福利厚生の一環として賃貸サービスを提供する。業績が順調に伸長し、2年後の株式上場を視野に入れる。角南圭社長が目指すのは、不動産に携わる社員が誇りを持って働ける職場づくり。そのために独自の施策に取り組んでいる。

 
 「衣食住の仕事に携わる人たちの地位を向上させたい」――角南圭社長の口から、こんな言葉が飛び出した。不動産業界はかつての強引な販売や待遇面の低さでイメージが良いとは言い難い。「生活の根幹を支えるビジネスがなぜ不当に扱われているのか」と義憤に駆られている。

 そんな角南社長だが、最初から不動産事業を志していた訳ではなかった。もともと独立志向が強く、大学時代にコンサルティング事業を開始。当時の顧客から不動産会社を取得し、現在の事業モデルを構築した。業界の現状を目の当たりにして、「不動産に携わる社員が誇りを持って働ける会社をつくろう」と思い立ったという。

 角南社長はそのための施策として、独自教育により社員に成長実感を与えている。例えば、昨年10月にオープンした「品川店」と「目黒店」では立ち上げから運営までの一切を新人だけに任せるという大胆な施策を断行した。

 「人は環境で育つもの。ベンチャー企業に入社してもらったからには、大きな裁量を持って働く醍醐味を味わってもらいたい。難しいのは承知ですが、思い切ってやらせてみました」

 苦情がない限り本社はほとんど介入しない異例の取り組み。時には涙するスタッフに社長自身が叱咤激励することもあった。徐々に売り上げが伸び、“荒療治”が結実したという。

 ほかには「社長宅合宿」を実施するなど、従業員が100人規模になった現在でも社員と膝を突き合わせて語り合う。研修で教えるのは、「当たり前とされていることを徹底する」姿勢。元気なあいさつはもちろん、おしぼりやウェルカムカードの提供で、“サービス業としての賃貸ビジネス”を打ち出す。

 「社員が誇れる会社であるために必要なのは収益体質の増強」とする角南社長。現在、注力するのは法人事業だ。企業の福利厚生の一環として、従業員が通常より安価な手数料で物件を借りられるサービスを提案する。契約企業は約1千社に達し、安定した収益基盤に育った。原則的に自社管理物件のみを仲介する大手賃貸会社に比べ、うちナビでは全国の物件を紹介しているという。現在では売上高が右肩上がりで推移しており、2年後の新規株式公開に向けた体制が整ってきた。

 「上場すれば会社としての知名度と影響力が高まります。住まいを提供する仕事の素晴らしさを伝えたいですね」

 

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