直営店、フランチャイズ合わせて全国172店舗を展開する来店型保険ショップ大手のみつばち保険グループ。今年7月、ソニー生命のトップ・プランナーから来店型ショップ「FLP」を創業した小林尚哉氏が社長に就任した。聞き手=本誌/井上 博 写真=佐藤元樹

 来店型ショップによって保険が身近なサービスに

インテリアデザイナーとしてのキャリアを生かし、自ら店舗デザインも手掛ける

インテリアデザイナーとしてのキャリアを生かし、自ら店舗デザインも手掛ける

-- 販売のチャネルが増え、競争が激しくなっていますね。

小林 従来からの営業マンが説明し、契約する訪問型、テレビCMでおなじみのネット・通販型、電話営業型などの販売チャネルの中で来店型はお客さまから選ばれ、市場シェアを伸ばしています。特に30歳代を中心とした若い世代に選ばれています。

 いろいろな保険会社から選択できるのも選ばれる理由ですが、自分の都合があったときに行ける便利さがあります。また、買い物や通勤で使う駅前、商店街、ショッピングセンターなどいつもの場所にあることで保険の相談、契約が身近になっています。

-- 確かにいつも行くところにあれば保険を意識しますね。

小林 ショッピングセンターに出店していると、ショップでの相談の光景は買い物客にも気になるようです。それが同じ世代、似たような家族構成であれば、なおさらです。

 保険について考えるのは年末調整のときぐらいという人も多いと思いますが、いつも行く場所にショップがあることで保険を身近なサービスとして意識付けされ、気軽に相談、利用できるのが来店型の強みです。

乱立する来店型の中で独自の強みを生かす

-- 伸びている来店型だけに競合も増え、乱立ぎみですが。

小林 各社が取り扱っている保険にそれほど違いはありません。そのため、テレビCMや分かりやすい店名などイメージ戦略で差別化をはかっています。

 当社も来店のきっかけづくりとしてタレントの壇蜜さんのCMを流していますが、当社の強みは来店していただいたお客さまに対して「メンター・コンサルティング」を行うところにあります。

-- メンターというと助言者、相談相手という意味ですね。

小林 当店ではお客さまの来店目的を聞き、その上でお客さまの潜在的なニーズを見つけ、必要な保険を提案をしていきます。

 保険というとまず生年月日、家族構成を聞き、それをもとにライフプランを作成、保険を提案していきます。

 ところが来店型では「学資保険に入りたい」、「医療保険について聞きたい」など目的をもって来店をされるお客さまがほとんどで、ライフプランの作成よりもニーズを優先した保険を提案することになります。とはいっても「学資保険に入りたい」というニーズにいくつかの学資保険を提案しただけではお客さまの本当のニーズに応えたとはいえません。

 当店ではまず「なぜ今、学資保険なのか」を聞き取り、そのニーズを理解した上で現実的なライフプランに落とし込み、必要な保険を提案していきます。お客さま自身が気付かない潜在的なニーズを助言することで納得感を持っていただけます。

 また、同じ学資保険でもご夫婦での来店、1人の方、年配の方、それぞれニーズが違うのです。お客さまによってニーズを探り、お客さまごとに提案を変えるところは保険の仕事の面白さです。

「ストック型」の収益モデルは顧客のためにもなる

-- 今後、FCも含め出店を増やしていきますね。

小林 FC加盟店には最初に「3年たてばストックがたまり収益が出てくる」と説明をしています。それは地道にお客さまを増やし、継続性を高めることで手数料がつみ上がる「ストック型」が当社の収益モデルだからです。

 「ストック型」はショップを長く続けることを前提にしています。新規のお客さま同様に継続のお客さまのフォローを大切にし、いつもと同じ場所で長く続けることは信頼と安心感にもつながってきます。

-- 店舗が増えると顧客にもメリットがあるそうですね。

小林 生命保険の中に総称して「リビング・デス」といわれる保険があります。死亡しなくても一定の状態に陥れば保険金、給付金が支払われる生前給付型保険のことで、保険会社により幾分範囲や定義が異なりますが、三大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)や介護状態になった際に保険金が支払われます。20年以上前からある保険ですが保険料が高いのと手数料が低いことでどの販売チャネルも消極的です。

 実は当社はこの保険の契約獲得はトップクラスです。例え手数料が安くても、お客さまのニーズにあった保険であれば提案できるのは、契約数を貯めていく「ストック型」であればこそです。

-- 顧客本位であることが利益につながっていますね。

小林 スタッフには「保険はロジックではなく、メンタルなもの」と教えています。保険をメンタルなサービスと考えお客さまと接すれば、潜在的なニーズが見えてくるのです。これは来店型でしかできない販売方法ではないでしょうか。

 

みつばち保険グループ
小林尚哉(こばやし・なおや) インテリアデザインの仕事に従事後、1996年ソニー生命に入社。2004年より来店型ショップの経営に専念。13年10月よりみつばち保険グループ役副社長に就任。14年8月より社長に就任。

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