日本ではじめてアフィリエイトマーケティング(成果報酬型広告)を提供したバリューコマース。スマートフォン向けのネット広告配信という新しいサービス「ADPRESSO」の提供を開始した香川仁社長に話を聞いた。

ネット広告はパソコンからモバイルへと語る香川仁氏

── アフィリエイトマーケティングの歴史は貴社の歴史ですね。

香川 当社のサービスの提供開始が1999年、ウインドウズ98が発売されネットが普及し始めたほぼ同時期にアフィリエイトマーケティングを始めました。当時はホームページも少なく、ブログという概念すらありませんから先見の明があったのだと思います。

 以前のように誰でもブログを開設していた頃に比べると今ではSNSなどコミュニティー中心に変わってはいますが、反対に自分の目的や趣味にあったホームページやブログをいつも見ているコアなファン層が増えています。

 特定の目的や趣味に特化したコンテンツを作ることで、ターゲットが絞り込まれ訴求効果が上がり広告効果も高くなっています。

香川 仁

香川 仁(かがわ・じん)
1991年アイダエンジニアリング、92年日刊工業新聞社を経て、2003年ヤフー入社。13年バリューコマース取締役副社長執行役員兼営業・事業開発部門責任者就任、14年1月代表取締役社長 最高経営責任者に就任。

── スマートフォン向けのモバイル広告も伸びていますね。

香川 いつでもどこでも好きなときに見られるスマートフォンはアフィリエイト市場だけではなく、当社の事業領域であるネット広告のビジネス全体からみても大きな市場となっています。

 スマートフォンでのウェブサイト閲覧やアプリ利用の時間が増加し、スマートフォン向けの広告需要が増加しています。

 当社も2014年10月からスマートフォン向け広告配信サービス「ADPRESSO(アドプレッソ)」の提供を開始し、モバイル向けの広告の強化を進めています。

ネットの変化に流されないことも重要

── アフィリエイトが〝荒れた〟時期もありましたね。

香川 確かに審査のないアフィリエイト・サービス・プロバイダーを利用するアフィリエイターによる悪徳情報商材などの登場で一時期業界全体が〝荒れた〟こともありました。また、他のプロバイダーでは、広告主が意図していない不適切なサイトに広告を掲載していたことが問題にもなりました。

 当社は広告主が自社の広告を見ても安心できるウェブサイトやアプリなどのメディアへ広告を配信しています。そのために広告の掲載先であるメディアに対して厳正な審査を行っています。

── SNSへの広告配信はされるのですか。

香川 最近、フェイスブックなどSNSへの広告配信の対応については聞かれることが多くなってきました。

 確かにメーンのコミュニケーションツールになりつつあるSNSでのネット広告は魅力的な広告配信場所です。ただし一方で、広告主が自社の広告が確認できることもネットワークの品質を維持するために重要であると考えています。

 広告ネットワークは、広告主とメディア運営者によって成り立っており、当社は、双方の収益最大化を支援する立場にあります。

 最近ではまとめサイト、キュレーションサイトなど新しいメディアが目立ってきました。ネットの変化によって今後も新しいサービス、メディアなどが登場してくると思いますが、常にクライアントである広告主、そしてメディア運営者、さらにユーザーにとって価値のあるサービスを提供していきます。

香川仁氏の思い グループ全体の成長を目指す

── ヤフーグループの中でも拡販という役割は大きいですね。

香川 当社にとって、ヤフーは広告主でもあり、メディア運営者でもあります。広告主としてのヤフーに対しては、「Yahoo!ショッピング」をはじめとするウェブサイトへの集客をサポートし、メディア運営者としてのヤフーに対して、広告収益の最大化をサポートしています。

── ソフトバンクモバイルとの取り組みも始まりましたね。

香川 14年6月よりオンラインモール「得するモール」を立ち上げました。これはネットショッピングやアプリのインストールなど各サービスを利用すると毎月の携帯電話利用料金の支払いに使える金額がたまる仕組みで、当社が運営するキャッシュバックサイト「バリューポイントクラブ」のノウハウを活用しています。

 ヤフーには集客・広告収益につながる仕組みを、ソフトバンクモバイルにはユーザーへの付加価値サービスを提供する仕組みを提供することで、グループの一員として相乗効果を高めていきます。グループ会社との連携は、当社の強みのひとつです。

 アフィリエイトマーケティングサービス開始から15年。パソコンからモバイルへ、ネットからリアルへ事業環境が大きく変化するなか、今後も、多様なサービスの発信を通じ、中長期的な成長に挑戦してまいります。

(聞き手=本誌/井上 博 写真=佐藤元樹)

 

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