写真・イラスト・動画のストック素材サイト「ピクスタ」を運営。自身の作品を世に出したいデザイナーと、品質の高い素材をリーズナブルに活用したい企業のニーズを取り込み、国内最大規模の事業に成長させた。今後はアジアナンバーワン企業を目指しながら、デザイナーが活躍できるフィールドづくりを一層進める考えだ。

 ピクスタは、1030万点を超える写真、イラスト、動画の投稿素材を販売している。投稿者であるデザイナーの多くが、会社員や主婦などのアマチュアだ。価格は1枚540円から。自社のサイトやSNSでの広報活動を行う企業の利用が増え、素材販売サイトとして国内最大手に躍り出た。

 同社の企業理念は、「インターネットでフラットな世界をつくる」。ネットによってデザイナーが経歴や実績、コネなどにとらわれず、自由に作品発表できる場を提供する。古俣大介社長は「世の中に埋もれていたデザイナーの受け皿になるのが当社の役目。インターネットの可能性は今も無限大です」と話す。

 古俣社長はネットの普及に触発されて起業した「76(ナナロク)世代」の1人。大学時代にコーヒー豆のECサイトを立ち上げるなど、かねてからネットビジネスに強い意欲を持っていた。加えて、漫画やアニメを見るのが好きで、一時はイラストの模写に夢中になっていたという。

 「自分に才能がないと気付いてから絵を描くのをやめました。同時にモノづくりをする人たちを支援したいという気持ちが生まれましたね」

 ネットショップや古着屋の運営に携わった後、オンデマンド印刷事業に着手。ポスターやチラシの制作をとおして、安価で良質な素材が十分流通していない現実を知る。「ならば自分で良い素材を普及させよう」と2005年にピクスタを設立。初めの3年間は資金繰りに苦労したが、ベンチャーキャピタルからの出資とデザイナーの“熱量”ある投稿素材が古俣社長を支えた。やがて不景気による企業のコスト削減ニーズが追い風となり、同社の躍進が始まった。
 現在もデザイナーが活躍できる場を増やすべく、各種の取り組みを行っている。自社メディアの運営で多くの素材を必要とする企業向けに定額制サービス「イメージア」を展開。自作動画の投稿で活躍する「YouTuber」に素材を提供するなど、新たな層へのサポートも開始している。 

 また、13年には「ピクスタ」の英語・中国語版をリリース、シンガポールに現地法人を開設し、海外デザイナーの発掘も進めている。「アジアのデザイナーと、その素材を求めるメディアをつなぎ、新たな価値をつくる」と語る古俣社長。その先に見据えるのは20年におけるアジアナンバーワン企業への道だ。

 

「ピクスタ」ホームページ

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