母体となった商業学校の創立から100年以上がたち、現在の大学創立から2016年で50周年の節目を迎える中央学院大学。徹底した少人数教育による実学に即した教育は定評がある。近年では正月の“箱根駅伝”での活躍や、ゴルフ部女子の全国制覇などスポーツにも力を入れている。 聞き手=本誌/清水克久

産業界の要請に応じて発展、成長してきた歴史

佐藤英明(さとう・ひであき)1958年北海道生まれ。北海道教育大学教育学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。96年中央学院大学講師。助教授、教授を経て、2012年に商学部長。14年7月に学長に就任。

佐藤英明(さとう・ひであき)
1958年北海道生まれ。北海道教育大学教育学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。96年中央学院大学講師。助教授、教授を経て、2012年に商学部長。14年7月に学長に就任。

―― 中央学院大学は100年以上の歴史があるそうですね。

佐藤 1900年に「日本橋簡易商業夜学校」を設立したのが始まりです。その2年後に中央商業学校を開校。戦後になって中央商科短期大学、中央商業高等学校を設立して、66年に商学部商学科の単科大学として千葉県我孫子市に開学しました。

 本学の設立時には、証券業界から、実践的で正しい知識を持った人材育成をしてほしいという要望を受けて、まず短大に証券コースを設置、そこから産学協同の精神のもと大学を設置し、商学部の中に証券コースを設けました。

 その後も商学部では、産業界の要請に応えられる人材育成を目的に、時代の変化に応じたコースを設置してきました。例えば、現在では情報関連の学部や学科は珍しくないですが、そのさきがけになったのが本学の情報コースです。本学の情報コースは、単にコンピュータ技術者を養成するのではなく、産業界で働くための情報系知識を持った人材育成コースです。ほかにも法学部創設の時には、弁護士を目指す教育ではなく、きちんとした法律の知識を持った地方公務員の育成を図るなど、常に明確な目的を掲げています。現在、商学部は7コース、法学部は5コースを設置しています。

―― 商学部、法学部共にスポーツに関連した珍しいコースもありますね。

佐藤 法学部のほうは「スポーツシステムコース」といって、法律の知識を身に付けた上でスポーツ関連の資格を取得したい人や将来、スポーツ競技会の運営などに携わりたい人に最適です。商学部の「スポーツキャリアコース」は、スポーツにかかわるさまざまな仕事に就くためのコースです。今日ではスポーツは大きなビジネスとなっていますが、選手の育成だけではなく、競技会の周辺では経済的知識が豊富なビジネスマンが求められています。将来、スポーツ関係で働きたい人にとっては魅力的な教育内容となっています。

緑に囲まれたキャンパス(千葉県我孫子市)

緑に囲まれたキャンパス(千葉県我孫子市)

佐藤 今取り組んでいる大学改革では「STAND BY YOU」というスローガンを掲げて、学生一人ひとりと向きあい、支えていくことを重視しています。

 例えば、学生の中にはだんだんと大学に来なくなってしまう学生もいます。そこで大教室には出席確認のカードリーダーを設置、小教室では教員が毎回出席を取り、学生の動きを把握するようにしています。あまり欠席が多いと、教職員が電話をして、相談に乗るようにしています。通学できない理由が分かれば、大学としても対応できることがあります。

 また開学当初から1年次必修科目の少人数ゼミでは、担当教員による担任制を導入しており、学習面や生活面など、学生生活でのあらゆる相談に乗る体制をとっています。

来年の大学創立50周年に向けて新学部の構想も

―― 就職支援の取り組みはどうですか。

佐藤 1年次から就職を意識した活動をするように心掛けるベストジョブプログラム(商学部)という制度が始まります。多くの学生は3年生になって実際の就職活動が始まるまで、何もしない。それでは遅いので、早期から就職への意識を高めていくようにしています。

―― 資格取得の支援は。

大学祭(あびこ祭)では模擬裁判など多彩な催しが開かれる

大学祭(あびこ祭)では模擬裁判など多彩な催しが開かれる

佐藤 学内のアクティブセンターでは、簿記や宅建、秘書技能検定など、社会人向けの各種資格取得講座を開講しています。学生も社会人の方々と一緒に受講することができるので、刺激を受けるケースが多いようです。受講費用も半分は大学で負担し、難易度が高い資格の場合は合格後無料にする制度もあります。

―― 少子化の進展による志願者の減少など、難しい問題もありますが、今後の方針は。

佐藤 大学創立50周年を来年に控えて、新しい学部を設置したいと考えています。教養系の学部になると思いますが、現在の法学部、商学部ではできなかったプログラムを作りたいですね。

 また現在の2学部では、附属高校から内部進学する学生は男子が圧倒的に多いのですが、新学部は女子にとっても魅力のある学部にしたいと思っています。

 また教職員が学生一人ひとりに向き合って、「自分だってやればできる」と自信を持って社会に出ていけるような学生をたくさん社会に送り出していきたいと考えています。

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