“語学の西南”として知られる西南学院大学は西日本屈指の文科系、社会系総合大学。キリスト教を教育理念の根幹に置き国際交流も盛んだ。2016年に100周年を迎える同大学の学長はK・J・シャフナー氏であるが、外国人女性の学長は全国的にも珍しい。 聞き手=本誌/清水克久 写真=佐藤元樹

【西南学院大学・K.J.シャフナー学長】ー”語学の西南”として古くから国際交流に積極的

K.J.シャフナー 1952年生まれ。サウスウエスタン・バプテスト神学大学院修士課程修了。87年西南学院大学講師。助教授を経て2007年国際文化学部教授。14年12月に学長に就任。

K.J.シャフナー
1952年生まれ。サウスウエスタン・バプテスト神学大学院修士課程修了。87年西南学院大学講師。助教授を経て2007年国際文化学部教授。14年12月に学長に就任。

―― まず、貴学の特長をお聞かせください。

シャフナー 古くから国際交流を積極的に行い“語学の西南”と呼ばれています。その背景には米国南部バプテスト派の宣教師だったC・K・ドージャーが創立者で、キリスト教教育を理念に掲げていることもあると思います。また、本学がある福岡は立地的にみてアジアの玄関口であり、語学は英語にとどまらず、中国語、韓国語、タイ語などアジアの言語やドイツ語、フランス語、イタリア語など欧州の言語も、力を入れています。さらに、神学部もあるので、ラテン語やギリシャ語、ヘブライ語といった古言語も学ぶことができるのも特長だと思います。

―― 国際交流は、いつごろから行ってきたのですか。

シャフナー 1971年から海外との交換留学生制度が始まっています。今日では17カ国、49の大学と提携して、半年から1年の長期留学を実施しています。短期の語学研修を含めて年間で全学生の約1割が海外に行くことが目標です。また、単なる留学ではなく、国際飢餓対策機構と連携したフィリピンでの「海外ボランティア・ワークキャンプ」といった海外でのプロジェクトにも積極的に参加しています。そういった活動を経験した学生は、帰国後、明らかに目が輝いていますね。

大学博物館(ドージャー記念館)は2004年に福岡市有形文化財に指定されている

大学博物館(ドージャー記念館)は2004年に福岡市有形文化財に指定されている

 一方で海外からの留学生は提携校以外からも多くやって来ます。本学が選ばれる理由は、日本の大学としては珍しく海外からの留学生向けのプログラムが充実していること。また日本語の専門講座などがあるので、勉強しやすいのだと思います。

―― ほかに教育面での特長は。

シャフナー 入学時から少人数教育に力を入れています。1年次から基礎ゼミがあり、そこから先生と学生の交流が始まります。これが大きな理由となって、退学率はわずかに0・4%です。ゼミは1クラス20人以下で、先生の目も行き届きやすい。3回連続で学生が休んだら学生課や学生主任が面談をして、相談できるようにしています。

【西南学院大学・K.J.シャフナー学長】ー東京での入試を開始し、ネット出願も導入

―― 西日本では有名校ですが志願者は九州が中心ですか。

シャフナー 確かに九州の出身者が多いのですが、山口県や広島県など中国地方の学生もたくさんいます。また2013年に東京オフィス(千代田区丸の内)を設立しましたので、それを足掛かりに東日本の生徒が受験しやすいように東京での入試も始めました。これは東京にいる卒業生からの提案で、現在もいろいろな形で応援していただいています。

 卒業生は累計で8万5千人を超えています。卒業してからの同窓生のつながりは強く、大手の企業や団体で活躍しています。

―― 少子化の中で志願者を増やす工夫は。

情報処理教育や語学教育で定評が高い

情報処理教育や語学教育で定評が高い

【西南学院大学・K.J.シャフナー学長】ー就活支援と今後の展開

シャフナー 今年度からインターネットでの出願を始めました。ネットの環境がない方もいるので、従来どおりの紙での出願も可能ですが、ネット出願では受験料を割り引きにしています。

―― 就職支援ではどのような体制を取っていますか。

シャフナー 従来の就職課に加えてキャリアセンターを設立し、学生の就職活動支援、キャリア支援を充実させています。キャリアセンターでは資格取得講座なども実施。大企業への就職率は54・9%です。また、キャビンアテンダントの就職数は全国の大学で本学が12位です。基盤となっている語学教育や人格教育の成果やコミュニケーション能力の高さが採用結果に表れているのではないかと思います。

―― 今後の展開として、新学部の設立などは考えておられるのでしょうか。

シャフナー 人間科学部の中に心理学科を増設したのが3年前です。他大学では新しい学部、学科を作る動きが盛んですが、本学の場合はニーズをはっきりとつかんでいれば、既存学部でも方向性を変えていくことで十分に対応できると考えています。

―― 来年100周年を迎えられますが、目標は。

シャフナー 16年5月に記念式典を開催します。テーマは「Thanks and Next」。これまでのことに感謝をして、次の100年に進んでいく決意を示したものです。さらに、学院の21世紀のテーマとして“Impacting the World”という言葉を掲げています。世界に貢献できる、世界に影響を与える存在になっていきたいと考えているのです。

 

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