「知財立国日本」の足元を固めるのが特許事務所。朝日特許事務所は今まで大企業を顧客にして蓄積したノウハウを元に、中小企業のサポートにも力を入れている。知的財産の活用で弱い立場を強いられている中小企業に対し、大企業並みの知財戦略の導入を促進することで、日本経済の活性化の一翼を担おうとしている。

 

 1993年に2人でスタートし、その後、依頼案件の増加に伴い2年ほどで10人体制に。2008年から法人化し、特許業務法人・朝日特許事務所として新たにスタートを切った。

 「通常の特許事務所は書面中心ですが、私たちは発明者(開発者)にインタビューし、まだ言葉にしていないアイデアやヒント情報を言葉で投げ掛け、発明資料に現れた“結果”以外のものを引き出します。その際、ホワイトボードなどに書いて情報の共有化をしながら進めて行くのが特徴です。これをしないと、最初に言い出した周辺しか特許が取れませんが、私たちが引き出しつつ、議論が拡散しないようまとめ上げていくことで、大きな広がりが出るのです」と川﨑氏は独自の取り組みを説明する。

 56年生まれで、中央大学物理学科を卒業後、業界首位の志賀国際特許事務所に入所し、12年間研鑽を積んだ後、独立して現在に至っている。

 顧客は電機業界を中心に大企業が多く、自身が関わった特許は5千件を超える。地図検索サービスのマピオンが展開する、地図情報と広告情報を関連付けて課金する「マピオン特許」は、朝日特許事務所が権利化したもので、日本のビジネスモデル特許の元祖といわれる。

 今まで大企業を主な顧客にして培ったノウハウを中小企業にアレンジして、知財強化型の戦略的企業への転換を支援する取り組みも始めている。中小企業が苦手な特許データベースを駆使した戦略的な知財コンサルティング、パテントマップを用いて業界動向を視覚化し、注目領域を狙ってアイデア出しや製品開発をサポートする。

 特許公報を活用できる「アイデア創出ワークショップ」サービス、日々更新されるライバル他社の特許情報を迅速に入手できる特許データベースの自動追従サービスなども好評だ。さらに顧客には特許情報を分かりやすく解説することで知財に強い技術者を養成するなどの活動も行っている。

 現在、国内の弁理士は約1万人、特許事務所の数は約3千弱で、市場は飽和状態。今後の展開をどう定めているのだろうか。

 「中小企業のサポートは潜在的ニーズが多いです。現在、8人の弁理士を含め30人体制という機動力を有し、既に成功事例を持つ私たちを“味方”に付ければ、中小企業でも大企業並みの知財戦略が立てられます」

 知財立国日本を支える一角を担う覚悟の川﨑氏だ。

 

「朝日特許事務所」ホームページ

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