サムシングホールディングスは、地盤関連事業を手掛けるサムシングを傘下に持つ持ち株会社(東証JASDAQ上場)だ。主に戸建住宅を対象にした地盤の調査、改良工事、保証の各事業を展開。現在は住宅市場の縮小を受け、店舗や集合住宅向けの事業や海外進出を加速させる。

 

 構造物を建てる際に、地盤の性質や強度を把握する目的で行われる地盤調査。地震や異常気象の頻発から、需要が一層高まっている。サムシングは業界大手が公共施設などの大型案件を手掛ける中、戸建住宅向けを主要市場に業績を伸ばしてきた。「地盤の見える化」をキーワードに、調査や改良工事を発注する工務店やハウスメーカーに向けて詳細な調査・施工データを開示、透明性を武器にしている。

 社長の前俊守氏はかつて大手建材商社のワキタに勤めていた。当時の業者は調査や施工の過程をブラックボックスにしており、不安を感じる工務店やメーカーが少なくなかった。業界に疑問を感じた前氏は一念発起し、1997年に会社を設立した。

 同社は顧客に安心して利用してもらうために徹底した情報開示に加え、地盤と建物の修復費用を保証する「THE LAND」を提供している。1つの事故に対し、プランに応じて限度額2千万〜5千万円を給付。

 また自社保証だけではなく、業界でも珍しい大手損保会社による保証を付加した。これらの取り組みで顧客の安心感を獲得し、順調に業容を拡大、2006年には株式上場を果たした。

 順調に成長路線を歩んできた同社だが、昨年12月期の通期業績は売上高が前期比5%減の92億7500万円、営業利益が48・6%減の1億6400万円となった。戸建市場の縮小や増税前の駆け込み需要の反動が要因だが、前氏は悲観していない。「次の成長のための新事業への種蒔きは万全です」と強調する。

 現在は戸建てよりも高単価の店舗やアパート、マンションの市場を開拓している。現場では自走式で作業時間や費用を低減しながら、土質や液状化を調査できるボーリングシステム「地盤王 ホリ・ススム」を活用。土壌汚染の危険があるセメントと同レベルの地盤補強ができる「エコジオ工法」と組み合わせている。昨年の売り上げ比率は、店舗・集合住宅向けが戸建てを上回り、着実に成果が出てきた。

 また同社は海外事業にも注力する。11年にベトナム事務所を、一昨年にはシンガポールに子会社を設立。湿地帯など軟弱地盤が広く分布する東南アジアで住宅建材の製造、販売を行い、地盤調査、改良工事案件の獲得につなげる。

「地盤調査をアジアでもスタンダードにしたい」と語る前氏。「新しい価値、市場を創造して、幅広く社会に貢献していきます」と力を込める。

 

「サムシングホールディングス」ホームページ

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