LINE元社長の森川亮氏が昨年4月に立ち上げた「C CHANNEL」は女性向け動画ファッション雑誌。一方のSHO-BIは化粧品雑貨の製造・販売会社でメーンターゲットは共に女性。この共通項を持つ異業種の2人にマーケティングについて語ってもらった。

「C CHANNEL」はオールジャパンのプラットホーム

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森川 亮(もりかわ・あきら)【写真左】
1989年筑波大学卒業。同年日本テレビ放送網入社。その後ソニーを経て2003年ハンゲームジャパン(現LINE)入社し、07年社長。15年に退任し、同年4月にC Channel社長に就任。
寺田正秀(てらだ・まさひで)【写真右】
2001年慶応義塾大学卒業。同年みずほ銀行入行。04年粧美堂(現SHO-BI)入社、専務就任。13年12月に社長に就任。

── C CHANNELは昨年4月のサービス開始以来、どのような状況ですか。

森川 C CHANNELはクリッパーと呼んでいるモデル、タレント、学生さんが、自分の興味のあるファッションやヘアメーク、旅行、フードの情報をスマホで撮影、編集してアップする仕組みです。日本だけではなく、ニューヨーク、ソウル、台北、シンガポール、ドバイ、ジャカルタなどにクリッパーの輪が広がっており、自社メディアのほかにフェイスブックページも開設、彼女たちは自腹で動画を撮ってコミュニケーションしています。11月には月間2千万再生を超え、順調に増え続けています。

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── SHO-BIは化粧雑貨の製造・販売会社として65年以上の歴史がある東証一部上場企業です。13年にはコンタクトレンズの分野に参入、グローバル化にも積極的です。女性向けのマーケティングは得意分野ですね。

寺田 女性の“かわいい”を当社が製品として具現化するという考え方でやってきましたが、女性のニーズは移り変わりが早いので大変です。年間5千点以上の新製品を投入し、常時3万点の品揃えがありますが、単価の安い雑貨が中心で、画期的な発明品はありません。3年前に参入し、市場開拓中の「コスメコンタクト(R)」は、つけまつげやアイライナーなどをうまくコーディネートして“かわいい”をご提案しています。

オフラインとオンラインの融合が活路を開く

森川 SHO-BIさんの商品をじっくりと見たのは今日が初めてですが、卸売から自社開発まで一気通貫の強みがある上、リアルで海外展開もされており、とても懐が深いですね。特に「コスメコンタクト(R)」のコンセプトとキャラクターを利用した雑貨類の横展開は素晴らしい。また「メード・イン・ジャパン」はアジアでは特に評価が高いので、この強みを分かりやすく、かつ顕在化しているニーズを具現化させたことが成功の理由のひとつでしょうね。化粧品やファッション、それにキャラクターなどは日本が強みを持っている分野ですが、海外展開では多くの会社が苦労しています。でも若い女性をターゲットとしている以上、若年層がどんどん減っていく日本にとどまらずアジアなどに販路を求めていくのは経営の王道です。しかしこれが難しい。それで当社では女性が共感するような商品を、その他のファッション、化粧品、食品会社など、海外に出たいところと一緒にオールジャパンでコラボレーションすれば、大きな成果が得られると思っています。C CHANNELはそのプラットホームにしたいと考えています。

── オンラインとオフラインの融合についてはどうですか。

寺田 当社はコンタクトレンズ部門を除けばほぼリアル展開です。国内では約2万店舗、海外では13カ国、4千店舗向けに商品を供給できる強さはありますが、オンラインについてはまだ研究中です。オンラインで仕事をしている人からは「売れる商品はビッグデータを解析すれば分かる」とよく言われるのですが、どう取り組めばいいか目下、検討中です。

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森川 ビッグデータは大事な要素ですが、まずは売り始めないと分かりません。例えばZARAさんのように、ポップアップショップのような店舗で試験的に販売してみて、その実績を見て一気に大量生産するシステムがいずれは主流になっていくのではないでしょうか。モノを売るプロセスは安く・早くか、またはストーリーを語って共感して買ってもらうかの2通りしかありません。これだけ情報量が多くなってきた現在、欲しい商品を検索しても何を選んだらいいのか分からなくなってしまいます。一方で、SNSで紹介されているものはストーリーがあるので、こちらの方に流れていく傾向があります。ポップアップマーケティングとオンラインを組み合わせていけば、ものづくりのプロセスも変わっていくでしょうね。

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