「世界中のあらゆる減量・ヘルスケアサービスの中で、最も効果を出すサービスであり続ける」。自らを磨き上げることに注力した1年間を経て17年を迎えた今、ライザップはさらなる飛躍に向けてスタートを切ろうとしている。

顧客満足度を上げ切るために中身の充実に注力してきた16年

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RIZAPグループ株式会社
代表取締役社長
瀬戸 健 (せと・たけし)

 「2016年は準備の年でした」

 着々と新規出店を行い、他業態とのコラボレーションも次々と実現。攻めの一手かと思いきや、瀬戸社長から出てきたのは意外な一言だった。

 「全くといっていいほど攻めてはいないんです。お客さまの満足度を上げ切るため、これまで当たり前としてやってきたことに、徹底して向き合った1年でした」

 たとえば、お客さまから指摘されたこと、スタッフが気付いたことがあれば、その日のうちにホワイトボードに書き出し、翌日には改善していく。一般的な会社では、週に1回、月に1回程度やることをライザップでは毎日やる。さらに、管理職研修などの所定の研修に加えて、エリアごとにトレーナーの教育だけを担当するコーチングトレーナーを配備。彼らが毎日店舗を巡回し、改善を促す。矢継ぎ早の出店が可能なのは、PCDAサイクルを早く回していく仕組みがあるからに他ならない。

 人材の採用も積極的に行った。11月には新たにCSO(最高戦略責任者)兼CIO(最高情報責任者)としてファーストリテイリングの元CIO、岡田章二氏を招聘。社内体制の強化が急ピッチで進んでいる。

 「車と一緒で、会社もアクセルを踏むだけでは破たんしてしまいます。運転技術や車体の堅牢さも同時に担保していく必要があるのです」

 その結果は、顧客の企業に対するロイヤリティーを数値化した指標である“NPS”の変化にも表れている。

 「1年間でNPSの数値が7倍ほどアップしました。ライザップをご利用いただいた方が、今後も継続して利用したい、他の人に紹介したいと思ってくださっている。何よりもうれしいことです」

 これらは16年から本格的にスタートした『RIZAP GOLF』、『RIZAP ENGLISH』の展開でも同様に実践。一切の妥協を許さないその姿勢をもって、来期は攻めに転じる戦略だ。

糖質制限ありきではなくベストな手段を常に探求

 どれだけサービスが素晴らしくても成果を出せなければ意味がない。ライザップは「結果にコミットする」ために、データを活用した科学的なアプローチに力を入れてきた。

 「われわれには6万人を超えるデータがあります。どのような食事をして、どのようなトレーニングをすれば、どんな結果が得られるのかほぼ正確に予測することができるようになりました」

 これらのデータはトレーナーが現場で活用しているほか、ダイエットのみならず、健康をサポートする次世代サービスへの応用も期待されている。

 「ダイエットに関するデータを同レベルで持っている会社は他にはない」と瀬戸社長が語るとおり、このビッグデータこそが、ライザップが唯一無二の存在たるゆえんだ。

 「糖質量のコントロール」もデータによってその信憑性が確認された手法のひとつだ。目下、東京大学と連携して適切な糖質量、長期的な影響、さらに他の栄養素の摂取方法についても研究が進む。

 また、一般の人でも手軽に低糖質の食事を楽しめるよう、ファミリーマートやピザハットとのコラボ商品も登場。年末にはさまざまな低糖質食品を扱ってきたライザップのオンラインショップに低糖質のクリスマスケーキが登場し、好評を博した。

 一方で瀬戸社長は、“ライザップ=糖質制限”という見方が先行していることを憂慮ずる。

 「糖質制限は目的ではなく、あくまでも手段です。他にもっとよい方法が見つかれば、速やかに変えていきます」

 健康・ダイエットの要となるのが食。今やブームとなりつつある糖質制限は、これまで日本人に必要とされてきた、蛋白質量・脂質量・総摂取カロリーの数値を大きく変えてしまう可能性をはらんでいる。

 「何兆円単位で食の移動が起こる」ことが予想される中、ライザップは糖質コントロールにおけるリーディングカンパニーの地位を確立しつつある。

中高年の生活習慣病対策はライザップの得意分野

170124_002_RIZAP_P02 実は、ライザップが行う糖質コントロールと運動を主軸とするダイエットを最も必要としているのは、中高年層である。

 「一般的に若い方向けのサービスだと誤解されている節がありますが、50代以上の方にこそ、やっていただきたい」と瀬戸社長も語る。なぜなら、中高年になると、糖質が血糖値や血圧に及ぼす影響が高くなるからだ。これは筋力の衰えによって生じる基礎代謝の低下に起因する。

 「ライザップの場合は徐々に筋力をつけていくことで、基礎代謝を上げていきます。筋力がつき、体重も減ってくると体も身軽になって活動量も上がります。結果、さまざまな数値に改善が見られるようになるのです」

 もうひとつ、ライザップについての誤解があるとすれば、それは「厳しいトレーニングに耐えなければならない」ということだろう。実際にはどうなのだろうか。

 「たとえば、経済アナリストの森永卓郎さんのケースでは、最初の一カ月間、ストレッチしかしていません。ライザップのトレーニングはマンツーマンで行うので、たとえスクワットが1回もできない状態からでも、トレーナーが補助に入ることで無理なくスタートできます」

 現場のトレーナーも、中高年の方に気持ちよく通ってもらえるよう、時間をかけて研修を行い、コミュニケーション力に磨きをかけている。

 実際、ライザップには自分の両親を通わせているスタッフが少なくないという。いつまでも健康で、活動的でいたい中高年こそライザップなのだ。

自己実現を阻む三日坊主、情報に“やり切る力”をプラス

 瀬戸社長は「ライザップ」ブランドで展開するビジネスを“三日坊主産業”と称する。

 「ダイエットだけでなく、世の中には目的実現のための方法が確立しているものがたくさんあります。しかし、情報が手に入ることと、それを実践し続けられることの間には大きな差があります。もうひとつ必要なのは“やり切る力”なのです」

 この差を埋める役割を担うのが“三日坊主産業”であり、ライザップが最も重要だと考えているポイントだ。

 「ライザップの場合、実際に来てトレーニングをしていただくのは、週に2時間程度です。やり切るために大切なのはその2時間ではなく、1週間の残り160時間以上の時間です」

 顧客は期間中、担当トレーナーに自分の3食分の食事内容を毎日報告する。トレーナーはそれを見て、アドバイスをしたり、励ましたりし続け、ライザップに来ない日々を支える。必要とされるのはトレーニングスキルだけでなく、顧客の喜びに共感できる資質とコミュニケーション能力だ。

 これこそ他社が一朝一夕には真似できないライザップの強さである。

 すでにサービスをスタートしたゴルフや英語だけでなく、三日坊主であるが故に自己実現が阻まれている分野は少なくない。そのすべてが今後のターゲットとなっていくであろう。

変わりたいと望む人すべての人生を変える場所

 16年7月、ライザップを誕生させた健康コーポレーションは商号を変更し、体制新たに「RIZAPグループ」としてスタートした。17年3月期には売上高1千億円、営業利益100億円を突破する見込みだ。

 ビジネスのフィールドは「自己投資産業」だが、目指しているのは、ダイエットの成功や何かのスキルの習得だけではない。「人は、変われる。」というまぎれもない事実の証明だ。

 「ライザップに来ていただいた方が体型だけでなく、気持ちが明るくなったり、考え方が前向きになったりしていく様子を目の当たりにしてきました。私たちは、“人は自分が思うよりもずっとすごい存在であり、可能性にあふれている”と確信しています。そしてそれを最も強固に証明できる会社でありたい」

 目標とする自分を手に入れた人の人生は、強く、美しい。

 ライザップは最強のサポート集団として、あらゆる人生に寄り添い続ける。

 

RIZAPグループ株式会社

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